国内最強の決済サービス「Suica」普及の歴史①
「キャッシュレス」の重要性が叫ばれる現代社会。
そんな中、日本で重要な存在となっているのが「電子マネー」です。
デビットカードを大きく上回るレベルで普及し、取扱高は5.48兆円。
日本国内の電子マネー普及において、大きな役割を演じたのがJR東日本の「Suica」です。
今回は、日本におけるキャッシュレス化の一大勢力となった「Suica」という決済サービスが、一体どのようにして立ち上げられたのか、その歴史に迫りたいと思います。
昔は、駅員たちが駅の出入口に立ち、切符にバチンと切れ込みを入れていたのをご存知の方も多いでしょう。
日本で自動改札機の開発がスタートしたのは1963年。
立石電機(現・オムロン)と近畿日本鉄道がタッグを組んで、1967年に京阪神急行電鉄(現・阪急電鉄)で自動改札機が導入されました。
その後も、関西の私鉄を中心に少しずつ普及していきます。
一方の国鉄は、1985年になってようやく磁気式カード「オレンジカード」を導入。
オレンジカードは、情報を読み取る磁器塗料を裏面に塗布したプリペイド式カード。しかし、あくまでも自動券売機で切符を買うためのものに過ぎませんでした。