国内最強の決済サービス「Suica」普及の歴史③
(前回の続き)
1987年から苦節12年、ようやくICカードの導入を決定したJR東日本。
椎橋氏は、ICカードシステムを開始するにあたって、最もインパクトのあるスタート日は、21世紀最初の日である「2001年1月1日」だと考えますが、時間はありません。
まず決めなければいけないのが、ICカードの「名前」です。
考えても良い案は浮かばず、スタッフが「広告代理店に頼んでコンペを行ったらどうか」と提案。
ICカードのコンセプトを理解してもらった上で、プロモーションに至るまでを含めたトータルでプレゼンを依頼します。
この結果、決まったのが「Suica」という名前。
「Super Urban Inteligent CArd」の頭文字をとったもので、「スイスイいけるICカード」という意味も込められています。
ペンギンのキャラクターを採用することも定まり、チャージ機能や自動精算など、より具体的なシステム開発が進められました。
システム要件を決めるにあたって、議論を呼んだのが「ID機能」です。