オンライン決済サービスとして圧倒的な存在となった「PayPal」。
後に、初期メンバーたちがテクノロジー業界の至るところで活躍するようになった「PayPalマフィア」の名称も有名です。
TeslaやSpaceXを立ち上げたイーロン・マスクはもちろん、ピーター・ティールやリード・ホフマン(LinkedIn)、チャド・ハーレー(YouTube)など、名だたる起業家を数多く輩出しました。
今回は、「決済」という一大ジャンルを超えてインターネット業界に大きな影響を与えた「PayPal」の歴史についてまとめたいと思います。
前編では、PayPal誕生の土台を作ったピーター・ティールとイーロン・マスクの2人を中心にまとめます。
ピーター・ティールは1967年、ドイツのフランクフルトに生まれました。
1歳のとき、両親がアメリカのクリーブランドに移住。小学生時代には7回も引っ越しを経験、1977年にようやくカリフォルニアのフォスター・シティに落ち着きます。
中学生のときには、カリフォルニア州の数学コンペで一位になるほど数学が得意でした。高校卒業後はスタンフォード大学に進学し、哲学を専攻します。
大学では「スタンフォード・レビュー」を発刊して編集長となり、1989年に卒業するまで続けます。
その後はロー・スクールに進学して1992年に法学博士号を取得、法律家としての道を歩んだティールでしたが、1996年に仕事をやめてカリフォルニアに戻っています。
ドットコム・ブームが始まる世相を察知したティールは、友人や家族からの経済的支援をえて、100万ドルの資金を調達、ベンチャー・キャピタリストとしての道に進みます。
友人ルーク・ノゼックのプロジェクトに投資したものの鳴かず飛ばずだったティールでしたが、ノゼックの友人マックス・レブチンのアイデアに引き込まれ、1998年に設立されたのが「Confinity」です。