クレジットカードの歴史は、1950年の「ダイナーズクラブ」設立から始まりました。
1960年代になると、バンク・オブ・アメリカが「BankAmericard(後のVISA)」を発行。
他の銀行は、これに対抗して「インターバンク・カード・アソシエーション」を結成。これが1967年に「マスターチャージ」となり、現在のMastercardへとつながっていきました。
両社は1960年代後半、アンソリシティッド・カードと言われる大量郵送によって、顧客を大量に獲得しました。
しかしその結果、カードの不正利用など法的トラブルが急増。
1964年にはたった15件に過ぎなかったクレジットカードによる詐欺は、1968年には360件、さらに762件(1969年)と急増し、銀行は多大な損失を被りました。
原因は、信用リスクの高い個人にもクレジットカードをばらまいたこと、システムの弱点を見抜いた犯罪者による不正利用です。
昔から決済サービスと不正利用は切っても切れない関係だったのですね。
こうした結果を受け、アメリカ政府は1970年5月にアンソリシティッド・カードの郵送を禁止しました。
皮肉な話ですが、これによってクレジットカード会社が顧客を大量獲得することは難しくなり、二社による寡占が決定付けられたとも言えます。
(最近も同様の手法は行われているっぽいですが)
それでも、1973年時点での銀行系カードのシェアは、全クレジットカードの11%に過ぎませんでした。
当時はまだ、デパートなどの流通系カードが54%と過半数を占めていたのです。
VISAやMastercardはどうやって、これだけ大きな規模の違いを逆転したのでしょうか?
大きなポイントは、VISAなどの加盟店の大部分が中小企業であったということ。