Apple製品のエンタープライズ向け管理「Jamf」の成長ストーリーが面白い
今回ご紹介するのは、2020年7月にNASDAQへの新規上場を果たした「Jamf Holding」という企業だ。
Jamfが提供するのは、Apple製品のエンタープライズ向け端末管理。2002年の創業から20年弱、地道に成長を積み重ねてきた。
米国における「オペレーティング・システム」といえば、つい2009年まで「Windows」が92%を占めていた。それが2021年には30%まで下がり、Appleが46%でトップに。このうち31%分がiOSであり、15%分はMacOSだ。
強いのは北米だけではない。オセアニアや英国、北欧や日本など、いわゆる「先進国」の多くでトップシェアを握っているのがAppleである。
こうすると必然的に、企業におけるApple製品の需要も高まる。そして、エンタープライズ向けにApple製品の端末管理ソリューションを提供するのがJamfというわけだ。
今回は、Jamfのユニークな沿革について確認した上で、事業モデルや成長戦略について整理していく。
Jamfを創業したのはザック・ハルムスタッド(Zach Halmstad)という人物。
ハルムスタッドは2004年まで、UWEC(ウィスコンシン大学オークレア校)の大学生だった。学業の傍ら大学のIT部門でフルタイム勤務し、400を超える大学向けのMacを管理していた。
言うまでもなく、これは大変な作業だ。Windows向けに効率的なツールがあるのを見て「Apple製品でもやれないわけはない」と考える。こうして、自らツールを開発することを決める。