じつは電気自動車の方が早かった!「自動車」の誕生
(前回のつづき)
紀元前2500年ごろから使われはじめた「馬車」は、100年ちょっと前まで、人類最速の乗り物として君臨してきました。
それを短い間に変えてしまったのが、現代でも重要な乗り物である「自動車」です。
一般的には「フォードが作ったんっしょ?」くらいの理解が多いのではと思いますが、実際には紆余曲折あって、発展への道のりが本格化しています。
自動車が最初に発明されたのは1769年のフランスです。
発明したのはニコラ・ジョセフ・キュニョーという軍事技術者で、蒸気で走る三輪自動車を開発しています。
実際には、戦争で使われる「大砲」を運ぶために作られたもので、スピードは時速10km以下。文字通り「運ぶためだけ」に作られた車でした。
その後、ジェームズ・ワットが蒸気機関を改良したことで技術水準があがり、徐々に実用的な蒸気自動車が作られるようになります。
1830年代にはウォルター・ハンコックが9台の蒸気自動車を作り、イギリスの主要都市間で定期便を運行。1835年には22人乗り、時速34kmの「都市バス」を作りました。性能的には馬車に引けを取りません。
ところがイギリスの蒸気自動車は、社会からの反発を食らって消え失せる結末となります。