ついにDoorDash上場へ!熾烈な競争市場を勝ち抜いた最大の要因は何か
DoorDash

11月13日、アメリカのフードデリバリーサービス『DoorDash』の新規上場申請書類が公開された。

2020年、最も大きな追い風を受けた産業の一つがフードデリバリーだ。その中でもDoorDashは、極めて独自の成長を遂げてきた。

フードデリバリー市場は競争が極めて激しい。老舗のGrubhubは売却に追い込まれ、巨大な資本力を持ったUberが勢いよく成長してきた。

もっとも、DoorDash自身が成長を激化させた張本人でもある。激しい競争環境にも関わらず、DoorDashは米国トップの地位を確立した。

今回は、DoorDashが成功した要因の中で「一つのポイント」に着目し、目論見書内のデータとともにご紹介したい。

「母親のような人を助ける」のがテーマ

DoorDashの創業者CEOはトニー・シュウという人物だ。彼は5歳のとき、両親とともに中国からアメリカへ移住した。

父親はイリノイ大で航空宇宙工学の博士課程(PhD)を獲得することを目指し、母親は中国で医師をしていた。米国でも医師を続けたがったが、中国の医師免許は使えない。金銭的に学校に通うのも現実的ではなかった。

しかし、彼女は立ち止まらなかった。12年間ものあいだ、育児と三つの仕事を両立させることでお金を稼いだのだ。その一つは地元の中華料理店での接客係。トニーは皿洗い係として、それを見ていた。

彼女は10年以上かけて学費とクリニック設立のお金を稼ぎ、今でも20年以上そのクリニックを経営しているという。トニーは、彼女のようなローカル事業者を助けることを一つのテーマとして据える。

そして、DoorDashを理解する上で最も重要なポイントも、ローカル事業者との関係性だ。それが意味するところは、この記事を読み進めていくうちに明らかになるだろう。

意外にもデリバリー未開拓だったパロアルト周辺

DoorDashの始まりは、2012年の秋までさかのぼる。

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