Splunk Inc.【SPLK】 NASDAQ

Splunk Inc.(スプランク)は米国カリフォルニア州サンフランシスコに本社をおくテクノロジー企業。「機械的データを組織の誰でも利用でき、価値のあるものとする」ことをミッションとして掲げ、マシンログ分析用のソフトウェアを提供する会社である。2003年創業。2012年4月にNASDAQ市場へ株式上場を果たす。

Splunk Inc.【SPLK】 NASDAQ

Splunk Inc.(スプランク)は米国カリフォルニア州サンフランシスコに本社をおくテクノロジー企業。「機械的データを組織の誰でも利用でき、価値のあるものとする」ことをミッションとして掲げ、マシンログ分析用のソフトウェアを提供する会社である。2003年創業。2012年4月にNASDAQ市場へ株式上場を果たす。

事業内容

沿革・会社概要

Splunk Inc.(スプランク)は米国カリフォルニア州サンフランシスコに本社をおくテクノロジー企業。「機械的データを組織の誰でも利用でき、価値のあるものとする」ことをミッションとして掲げ、マシンログ分析用のソフトウェアを提供する。2003年創業。2012年4月にNASDAQ市場へ株式上場を果たす。

世界中の27のオフィスに6,000人以上の従業員を擁するSplunkは、IT、セキュリティ、DevOpsなどのイノベーターのために、データが「明快さ(Clarity)」を提供し、議論を活性化させ、進歩を加速させ、「未来」を構築している。

事業環境

データは、組織内のほぼすべてのソフトウェア・アプリケーションや電子デバイスによって生成され、ビジネス・トランザクション、顧客やユーザーの行動、セキュリティ上の脅威など、さまざまな活動のリアルタイムな記録が含まれている。組織の従来の情報技術(「IT」)やセキュリティ・インフラストラクチャだけでなく、産業用制御システム、センサー、監視制御およびデータ収集(「SCADA」)システム、ネットワーク、製造システム、スマート・メーター、そして電子ウェアラブル、モバイル・デバイス、自動車、医療機器などの消費者向けシステムを含むモノのインターネット(「IoT」)など、産業用インターネットからのデータも継続的にデータを生成している。

Splunkは世界初の「Data-to-Everythingプラットフォーム」であり、データとアクションの間の障壁を取り除くことで、データの時代に誰もが活躍・成長できるように設計されている。Splunkは、IT、DevOps、セキュリティの各チームが、あらゆるソースのデータを使って、あらゆるタイムスケールで組織を変革できるように支援している。

事業内容

Splunkは、システム、デバイス、インタラクションなど、さまざまなソースからデータを取り込み、そのデータを組織全体で意味のあるビジネスインサイトに変換する革新的なソフトウェア・ソリューションを提供している。Splunkの「Data-to-Everythingプラットフォーム」により、ユーザーは形式やソースに関係なく、データの調査、監視、分析、行動を行うことができる。

製品・サービス

Splunkの「Data-to-Everythingプラットフォーム」は、リアルタイムの情報を提供し、運用上の意思決定を可能にすることで、組織がデータに含まれる価値を獲得することを支援する。

主力ソリューション『Splunk Enterprise』は、アプリケーション管理、IT運用、セキュリティ等、さまざまなユースケースで採用されている。2020年現在、Splunkは『Splunk Enterprise』のライセンス費用、『Splunk Cloud』の定期利用費用、メンテナンスサポート等を収益の柱としている。

マシンログ分析による経営層の意思決定サポート

Splunkは、IoT技術を駆使して、モバイル機器、自動車、医療機器等のデータを生成・取得し、リアルタイムに価値ある形で利用者へ提供することにより、経営層の意思決定をサポートしている。Splunkの使命は、組織内のすべての人がデータにアクセスでき、データに基づいた意思決定ができるようになることである。

Splunkのクライアントは、様々な活用方法でサービスを利用している。具体的には、インフラや運用管理、セキュリティやコンプライアンス、ソフトウェア開発と運用、アプリケーション管理などのケースに留まらず、経営分析、とりわけIoT技術により取得したデータの分析もSplunkの得意とするところだ。

主力ソリューション『Splunk Enterprise』

『Splunk Enterprise』は、データ収集、インデックス作成、検索、レポート作成分析、アラート、監視、およびデータ管理機能等の機能によって構成されるソリューションである。

Splunkのデータプラットフォームは、特許取得済みのデータ構造を使用している。この構造では、データの書き込み時ではなく読み取り時に柔軟に構造を作ることが出来る。画期的な点は、ユーザーがデータのクエリ(データベースに対する命令文)を実行するにあたり、データ収集やインデックス作成の前に、データの構造を、ユーザーが定義または理解する必要がない点である。というのも、従来のITシステムにおいては、ユーザーが収集前にデータの形式を確立する必要があり、専門性が必要とされたためである。

『Splunk Enterprise』を利用すると、クライアントはHadoopやAmazon S3などのデータソースに格納されているデータを相互に探索、分析、視覚化することが可能である。また、異常検出のためにスピーディーかつ拡張性のある形で大量のデータを処理し、機械学習も含む高度な分析を提供している。

クラウドサービス『Splunk Cloud』

『Splunk Cloud』 は、『Splunk Enterprise』をサービスとして確実かつ拡張性のある形で導入・管理することのできるクラウドサービスである。『Splunk Cloud』は世界中で利用でき、インフラストラクチャを購入、導入、管理する必要がないことを同サービスの強みとしている。

1つのSplunkインターフェイスで、クラウドとオンプレミス双方に保持されているデータを検索することもできる。『Splunk Cloud』を活用することで、パブリッククラウド環境だけでなく、クラウド環境とオンプレミス環境の”良いとこどり”のアプローチを取ることも可能となるのである。

Premium Solutions

Splunkのプレミアムソリューションは、顧客の主要なニーズに対応するために構築されている。

Splunk Enterprise Security (“ES”)

「Splunk Enterprise Security(Splunk ES)」は、監視、警告、報告、調査、フォレンジック分析を通じて、新たなセキュリティ脅威とセキュリティ情報・イベント管理(SIEM)のユースケースに対処する。

SignalFx

「SignalFx」は、コンテナ、Kubernetes、マイクロサービス、サーバーレス機能などの最新のクラウドネイティブ技術で構築されたクラウド・インフラストラクチャとアプリケーションのリアルタイムの監視性とトラブルシューティングを提供する。

Splunk IT Service Intelligence (“ITSI”)

「Splunk IT Service Intelligence(Splunk ITSI)」は、機械学習を使用して、重要なITとビジネスサービスの健全性と主要なパフォーマンス指標を監視する。

Splunk Phantom

「Splunk Phantom」は、インシデントが検出された瞬間に即座に対応できるように、インシデント対応ワークフローを自動化・編成する。

VictorOps

「VictorOps」は、適切な担当者にアラートを配信することで、開発者や運用チームに権限を与え、ITインシデントを共同で解決できるようにする。

Splunk Data Stream Processor ("DSP")

「Splunk Data Stream Processor(Splunk DSP)」では、複数のソースから構造化されていないデータや構造化されていないデータをリアルタイムで収集し、大量の生データを素早くリッチなコンテクストデータやメトリクスに変換してSplunkに保存することができる。

Splunk Data Fabric Search ("DFS")

「Splunk Data Fabric Search(Splunk DFS)」は、大規模データセットの高度に複雑で高性能な検索を可能にし、顧客行動、組織の脅威、ビジネスチャンスを包括的に把握できるようにする。

Apps & Add-on Capabilities

「Splunk Enterprise」「Splunk Cloud」「プレミアムソリューション」の機能を追加コンテンツ(「アプリ」や「アドオン」)で補完している。アプリやアドオンは通常、Splunkの製品内、Splunkbaseのウェブサイト、またはSplunk Cloud環境からダウンロードして利用することができ、顧客が特定のユースケースに簡単かつ迅速に対応できるように、あらかじめ構築されたデータ入力、ワークフロー、検索、レポート、アラート、ダッシュボードの形で機能を提供する。

Splunk は、多くのサードパーティの開発者や顧客と協力して、Splunkのコア市場や隣接する市場で一般的なデータソースや貴重なユースケースに対応した何百ものアプリやアドオンを開発してきた。これらのアプリやアドオンの多くは無料でダウンロードできる。

Splunkはアプリやアドオンを提供することで、より大きな顧客価値を提供し、新しい市場をターゲットにし、ユーザーの導入を加速させ、従来ポイントソリューションが提供していた市場に対応できる。多くの場合、顧客は1つのアプリから始めて他のアプリやユースケースに拡張し、「Splunk Enterprise」と「Splunk Cloud」の使用量、ライセンス、収益を増加させている。

オープンプラットフォームを提供する戦略の一環として、SplunkはAPI、主要なプログラミング言語によるソフトウェア開発キット(SDK)、EclipseやMicrosoft Visual Studioなどの一般的な統合開発環境(IDE)用の拡張機能を提供している。これにより、開発者はSplunk EnterpriseやSplunk Cloudを活用したソフトウェアを構築したり、組織のITインフラストラクチャの他の部分と統合したりすることができる。

SplunkのオンラインユーザーコミュニティWebサイトである「Splunkbase」と「Splunk Answers」では、顧客がアプリを共有したり、ソフトウェアの使用方法についてコラボレーションしたり、コミュニティベースのサポートや教育を提供したりできる環境を提供している。さらに、「Splunk Dev Portal」では、開発者がSDKをダウンロードしたり、APIドキュメントにアクセスしたり、開発者環境やツールを使ってアプリケーションを構築するためのサンプルコードを見ることができる。

このようなユーザー主導のエコシステムは、Splunk製品の利用拡大につながり、費用対効果の高いマーケティング、ブランドの認知度と親和性の向上、さらにはSplunk製品のバイラルな採用につながっている。

Splunk App for Amazon Web Services ("AWS")

「Splunk App for Amazon Web Services(AWS)」は、AWSのデータソースからデータを収集・分析し、あらかじめ構築されたダッシュボード、レポート、アラートを介してセキュリティ、運用、コスト管理のインサイトを提供する。

Cisco Firepower App for Splunk

「Cisco Firepower App for Splunk」は、「Cisco eStreamer eNcore」アドオンと組み合わせることで、重要で価値の高いコンテキストに基づいたセキュリティおよびネットワーク イベント情報を提供する。「Cisco Firepower」および「Firepower Management Console」のための高度な可視化と調査機能を搭載している。「Cisco Firepower App for Splunk」は「Cisco Systems」によって構築、サポート、保守されている。

Splunk Machine Learning Toolkit ("MLTK")

「Splunk Machine Learning Toolkit(MLTK)」はカスタムビジュアライゼーションやガイド付きワークフロー、オープンソースおよびプロプライエタリなアルゴリズムのためのアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)が含まれる。また、顧客が機械学習モデルを作成する前にデータを準備してクリーンアップするためのデータ準備モジュールも含まれている。

Splunk Connected Experiences

「Splunk Connected Experiences」はモバイルデバイスやApple TVなどのコネクテッドデバイスから、組織全体のデータ、アラート、アクションへのアクセスを提供する。自然言語処理やバーチャルリアリティ(VR)、拡張現実などの最先端のアプローチを活用し、データとのより文脈に沿ったインタラクションを可能にする。

ビジネスモデル・プライシング

Splunkが提供する製品は、お客様に迅速な投資収益率を提供するように設計されている。一般的に、カスタマイズや長い導入サイクル、従来のエンタープライズソフトウェアアプリケーションによくある大規模な専門サービスは必要ない。見込みのあるユーザーは、無料のオンラインサンドボックスを利用して、Splunkの製品をすぐに試して体験することができる。

オンプレミスでの導入を希望するユーザーは、「Splunk Enterprise」の60日間の無料トライアルを利用できる。クラウドサービスとして提供される「Splunk Enterprise」のコア機能を機能するユーザーには、15日間の無料トライアルが用意している。トライアルユーザーは「Splunk Cloud」にサインアップすることで、社内インフラのプロビジョニング、デプロイ、管理の必要性を回避することができる。

ユーザーはソフトウェアをダウンロードしてインストールするだけで、通常数時間で関連するデータソースに接続することができる。「Splunk Enterprise」ソフトウェアがあらかじめ設定された仮想マシンインスタンスを提供する事前構築済みの「Amazon Machine Image」を介してAWS上のコンピュートインスタンスをプロビジョニングすることもできる。

一部の商用ライセンス顧客には無料の開発テストライセンスを提供しており、ユーザーは追加料金を支払うことなく、非運用環境で新しいデータやユースケースを探索することができる。

また、顧客にはサポート、トレーニング、専門的なサービスを提供し、ソフトウェアの導入を支援している。

Data Ingestion Pricing

価格は、インデックス化されたデータ量、すなわち、1 日あたりのギガバイト、テラバイト、またはペタバイトで表現された、1 日あたりのインデックス化された非圧縮データの最大総量に基づいている。 データインジェスト・ライセンスを購入すると、他の製品の使用要素やお客様の希望する導入サイズやモデルに基づく制限や追加コストはない。「Splunk Cloud」の顧客の場合、インジェスト価格は通常、1 日あたりのインデックス化されたデータ量と保存されたデータ量の組み合わせを考慮した年間サブスクリプション料金に基づいている。

Predictive Pricing

「 Predictive Pricing Program(PPP)は、民間企業向けのシンプルな価格設定モデルで、企業の規模に応じて予測可能性と柔軟性を提供する。PPPは、事前に定義されたボリュームの階層に基づいて顧客に価格設定を行う。顧客は1つの価格で各階層の最大容量までデータを利用することができ、その後の上位階層のコストを明確に把握することができる。PPPは「Splunk Enterprise」「Splunk ES」「Splunk UBA」「Splunk ITSI」で利用できる。

Infrastructure Pricing

インフラストラクチャの価格設定は、データインジェストに代わる価格設定を希望の顧客に利用いただける。価格は、インジェストされたデータ量ではなく、Splunk製品がアクセスできるコンピュートリソースの量によって決定される。インフラストラクチャー価格は、「Splunk Enterprise」「Splunk ES」「Splunk ITSI」および「Splunk Cloud」で提供されている同等のサービスで利用できる。

Rapid Adoption Packages

Splunk は、「Splunk Enterprise」および「Splunk Cloud」を利用の顧客向けに、特定のITやセキュリティのユースケースに合わせて設計された多数の「Rapid Adoption Packages」を提供している。これらのパッケージは、ユースケースに応じてデータ量を拡張することができ、追加のユースケースは別途購入する。

その他

Splunkが提供する製品の中には、他の価格設定モデルが普及している可能性のある市場に対応しているものもある。たとえば、「Splunk Phantom」と「VictorOps」の価格設定は、製品を使用するシート数に基づいている。

成長戦略

Splunkは、自社のサービスをデータからリアルタイムに経営意思決定に資する洞察を提供するための標準プラットフォームにすることを目指している。そして、それを実現するための戦略の重要な要素として次の6点を挙げている。

  • 更なる技術力をの強化のために投資を行う。追加機能を提供するために、製品開発に多額の投資を継続する。また、クライアントにクラウドの良さをより伝えたり提供するために、積極的に投資する予定もある。
  • パートナー関係を含む、直接または間接販売組織の拡大を継続し、販売能力を向上させ、市場での存在感を拡大させる。
  • 既存顧客に対するユースケースを増やし、クライアント企業全体の採用を推進する。
  • 基本となるユースケースと拡張ユースケースに対応するソリューションに重点を置くことで、価値提案を強化する。
  • ユーザーコミュニティとパートナーエコシステムを成長させて、ブランドの認知度を高め、新しいユースケースをターゲットにし、運用上のレバレッジを推進し、よりターゲットを絞った、より価値の高いソリューションを提供する。
  • データとSplunkを活用するエンタープライズアプリケーションの迅速な開発を可能にする豊富な開発者環境を引き続き提供する

Splunk Annual Report 2020(提出日:2020年3月26日)

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