事業内容
アスクルは、自社および連結子会社13社で構成されるグループ企業であり、eコマース事業を中心に展開しています。同社の事業は大きく分けて、eコマース事業、ロジスティクス事業、その他の事業に区分されます。
eコマース事業では、オフィス用品や生活用品、食料品、酒類、医薬品、化粧品、MRO商材(工場や建設現場で使用される消耗品や補修用品などの間接材)、ペット用品などの販売を行っています。この事業は、BtoBとBtoCに分かれており、BtoBではインターネットやFAXを通じたオフィス現場用品の翌日配送サービスを提供しています。このサービスは、アスクルシステムと呼ばれる販売システムにより支えられており、エージェントを通じた独自のビジネスモデルを採用しています。BtoC事業では、一般消費者向けに「LOHACO」という通信販売サイトを運営し、幅広い商品を提供しています。
ロジスティクス事業では、ASKUL LOGIST株式会社を通じて、eコマース事業で培った物流ノウハウを活かし、メーカー等の通販商品の保管や物流、配送サービスを提供しています。
その他の事業としては、嬬恋銘水株式会社による水の製造販売などがあります。
アスクルグループは、これらの事業を通じて、機能主義と社会最適を実現するバリューチェーンの構築を目指しています。また、商品のサプライヤーや運送会社、情報システムの開発・運用会社など多くの協力会社との間で役割を分担・補完し合い、戦略的なコラボレーションを進めています。これにより、時間やコストの無駄を排除し、顧客満足度の向上を図っています。
特集記事
アスクル決算:営業利益6割増、ヤフーとの連携強化でLOHACO赤字縮小が続く
アスクル 1Q決算:営利2倍の大幅増益、ヤフーと連携によるコスト削減も奏功
アスクル 4Q決算:コスト削減で利益倍増、BtoB向かい風もLOHACO需要急増
「アスクル」3Q決算:LOHACO赤字縮小、PayPayモール連携が奏功
経営方針
アスクルは、中期経営計画において「サステナブル経営」、「お客様価値最大化」、「高収益モデルへの転換」の三つの基本方針を掲げています。同社は、環境保全や社会課題の解決を目指した「エシカルeコマース」の実践を通じて、事業と環境課題の解決を一体化することを目指しています。また、多様な顧客基盤やビッグデータ、全国にわたる高度に自動化された物流基盤、長年にわたるオリジナル商品開発力を活かし、オフィス通販からすべての仕事場と生活を支えるインフラ企業へのトランスフォーメーションを図っています。
中期経営計画の最終年度である2025年5月期には、連結売上高5,500億円、連結営業利益率5%、連結株主資本利益率(ROE)20%の実現を目指しています。2023年5月期は、新型コロナウイルス感染症対策商品の特需減少やオフィス用品需要の低下にもかかわらず、生活用品・MRO商材の売上拡大や物流効率化、LOHACOの収益構造改善により増収を達成しました。
次期(2024年5月期)には、BtoB事業の成長エンジンとして新アスクルWEBサイトの効果を活かし、戦略業種向け商品の拡大やロングテール商品の商材拡大、インターネット広告の強化を進めます。BtoC事業では、BtoB事業との融合を進め、収益体質の強化を図ります。これらの施策により、2024年5月期には売上高4,820億円、売上高営業利益率3.4%、ROE15.3%を目指しています。
アスクルは、戦略業種と品揃えの拡大、BtoB最強eコマースサイトの構築、BtoBビジネスの新サービス開発、LOHACOの再成長に向けた施策など、複数の重点領域に注力しています。これらの取り組みを通じて、同社は持続可能な成長と高収益モデルへの転換を目指しています。