ざっくりわかる金融市場の歴史 〜東インド会社からロンドン市場の誕生まで〜(後編)
(前編のつづき)
金融市場の中心は、古くはイタリアのヴェネチアにありましたが、前編で記した経緯によって、ベルギーのブリュージュやアントウェルペンへと移っていきました。
そこから、今度はオランダのアムステルダム、そしてイギリスのロンドンへと移り変わっていくことになります。後編では、どのようにそれが起こったのかについて整理したいと思います。
15世紀に始まった大航海時代、イベリア半島に位置するポルトガルとスペインは、大西洋に面した地の利を活かして交易圏を拡大しました。中でもポルトガルは、喜望峰(アフリカ)経由でのコショウ調達を独自に開拓し、優位に立ちました。
ところが16世紀に入ると、ポルトガルが衰退。ポルトガル王室はスペインとの結びつきを強め、1580年にスペインによって併合されます。
元々スペインの統治下にあったオランダは、反乱によってスペインと敵対していました。ポルトガルがスペインに併合されたことで「コショウ」を調達できなくなってしまい、ピンチに陥りました。
オランダは、こうなったら自力でコショウを調達しようと、アジアに直接、船団を送り込みました。これが見事に成功し、オランダも喜望峰経由でのコショウ貿易を可能に。