事業内容
東北電力は、自社および子会社54社、関連会社20社を含む企業グループで構成されています。このグループは、火力、原子力、再生可能エネルギーを用いた電力の安定供給、小売販売、スマート社会実現事業を手掛ける「発電・販売事業」、中立かつ公平な電力ネットワークサービスを提供する「送配電事業」、そして電気・通信・土木・建築工事、電力供給設備の設計・製作、環境保全に関する調査・測量・測定分析を行う「建設業」の三つの主要セグメントで事業を展開しています。
2022年には、八甲田風力発電株式会社、白石越河風力、田子小国風力発電株式会社をグループに新たに加え、再生可能エネルギー分野への取り組みを強化しました。一方で、由利本荘洋上風力O&Mはプロジェクト事業者公募に落選し、解散となりました。また、株式会社シナジアパワーは破産手続開始によりグループから除外されました。さらに、東北インテリジェント通信株式会社は2023年4月1日に株式会社トークネットへ商号を変更しています。
これらの動きは、東北電力グループがエネルギー供給の安定化、環境保全、そして技術革新に向けて積極的に事業展開を進めていることを示しています。
特集記事
経営方針
東北電力グループは、再生可能エネルギーの普及拡大や分散型エネルギーの活用、社会課題の解決を目指す中長期ビジョン「よりそうnext」を推進しています。このビジョンでは、電力供給事業の競争力強化、分散型エネルギーの積極的な活用、社会課題への挑戦を通じて、持続的な利益創出と「東北発の新たな時代のスマート社会」の実現を目指しています。また、再生可能エネルギーの導入拡大や電力小売全面自由化以降の収益性低下を抑制し、成長のための資源投入を加速するために、「連結キャッシュ利益」を財務目標として設定し、2024年度には3,200億円以上を目指しています。
同社は、電力供給事業の構造改革として、燃料調達から発電・卸売のバリューチェーン最適化やコスト抑制を進めています。また、スマート社会実現事業の収益化に向け、分散型電源を活用したエネルギーサービスや生活・産業関連サービスの提案を進めています。
2023年度の中期計画では、「収支と財務基盤の早期回復」と「『よりそうnext』の実現」を目指し、経営全般の効率化、サービス提案の強化、原子力発電所の再稼働を通じて営業黒字の確保を目標としています。これらの取り組みを通じて、中長期的な成長基盤を整え、「よりそうnext」の具体化と実現を加速させる方針です。
さらに、再生可能エネルギー事業とスマート社会実現事業を成長分野と位置付け、2030年頃までに4,000億円程度の投資を行い、事業拡大と収益化に取り組む計画です。これにより、財務健全性と資本効率性を維持しつつ、持続可能な成長を目指しています。