パソナが観光分野で新産業創出へ 日本旅行とタッグ 
パソナグループ

パソナグループと日本旅行グループが観光分野での新産業の創出を目的に、7月からAll Japan Tourism Allianceの営業を開始する。この会社は2021年12月にパソナグループが設立したが、日本旅行などの出資を仰いでいる。

パソナグループ代表の南部康之氏は「淡路島を起点に、大阪、関西空港、神戸空港、明石、姫路を回ることができる地中海クルーズのようなものを行いたい。大阪・関西万博にはパビリオンを出す。そのレガシーを淡路島に持っていきたい」と意気込んだ。

パソナグループは地方創生事業として、2008年から兵庫県淡路島で人材誘致など地域の活性化を図る事業を行っている。2020年9月には本社機能の淡路島移転を開始。2023年度末までに人事や経営企画など本社機能を担う社員約1,800人のうち、約7割が淡路島での勤務となる予定だ。

売上高は大幅に伸びているものの、廃校を地域情報の発信地として再生するなど施設運営への投資、コロナ禍による営業制限などの影響で黒字化には至っていない。

一方、日本旅行はコロナ影響で2年連続の営業赤字ののち、2022年3月期の通期決算は最終黒字となった。とはいえ、営業外収益として雇用調整助成金が計上されている影響が大きく、まだ回復の途上にある。

新会社は「淡路島を舞台に新産業を創出する」と銘打つが、パソナグループの旅行業界参入が目的のようにも見える。しかし、これは両者にとって「地方創生」が最終目標であると、All Japan Tourism Alliance 代表取締役の山本真理子氏は明言する。彼らの目的、そして成長戦略とは。山本氏に話を聞いた。

旅行業界の出向者受け入れがきっかけ

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