2社寡占!決算書作成で上場企業のインフラとなる「TAKARA & COMPANY」と「プロネクサス」
私たちが日頃お世話になっている「決算書」。
各社とも見慣れた同様のフォーマットで情報を開示しているが、実はある2社が決算書作成サービスの市場シェアを二分している。
今回は上場企業にとって不可欠なインフラともいえる「決算書」などを印刷・作成する企業「プロネクサス」と「TAKARA & COMPANY(宝印刷)」をピックアップする。
2社のうち、先に創業しているのはプロネクサスだ。1930年に創業。当時の社名は「亜細亜商会」で、「株券専門」の印刷会社がルーツだ。
当時すでに印刷会社では競争が生じていた。創業者の上野一雄氏は競合を避けるため特定の領域に特化しようと考えており、株券に目をつけた。
「印刷技術の最高峰」「東洋一の株券印刷会社」を志した。創業当時の顧客には「カルピス」社などが名を連ねていた。
戦後には、1947年の「独占禁止法」制定で数多くの財閥が解体され、企業分割と株式公開が進んだことで株券印刷の需要も高まっていく。
偽造防止技術「多色細紋印刷方式」も開発。商法や証券取引法などに関連する提出書類の印刷事業も開始する。
そして1985年、「ディスクロージャービジネス宣言」を公表。
IR分野へ進出し、有価証券報告書やIPO関連書類の作成サービスに乗り出した。
1994年に株式を店頭登録。1996年には東証二部に上場し、2004年に東証一部銘柄となる。
2001年に有価証券報告書の電子開示(EDINET)が始まり、IR情報のデジタル化を推進。
現在は株主総会招集通知をスマートフォン対応するWebサービス「スマート招集」なども手がけている。