カジノ法案可決により「国内カジノ」戦国時代の到来か?カジノ産業に関連している国内企業5選

先月の通常国会で統合型リゾート(IR)法案、いわゆるカジノ法案が可決されました。

この法案に関しては、賛否両論ありますが、これから多くの企業がカジノ産業に力を入れてくることは、明らかです。

(引用:unsplash

まずは、先月可決されたカジノ法案のポイントをまとめて見たいと思います。

カジノの開設地は、全国に3ヵ所。

日本人および在日外国人に対しては、入場料として6000円を徴収。

これはシンガポールのカジノ入場料(現地在住者が対象)8000円が参考にされました。

入場回数制限は、7日間で3回、28日間で10回と制限されています。

カジノ税は、カジノ収入の30%となっており、本人確認は、マイナンバーカードが適応されます。

先月、可決された法案は、IR実施法案と呼ばれるもので、これから様々な工程が待ち受けています。

候補地としては、東京(お台場)・神奈川(山下ふ頭)・大阪(夢洲)・長崎(ハウステンボス)などが挙げられています。

(参考:https://vegasdocs.com/casinohouan/kouhochi.html)

今回は、そのカジノ法案が可決されたことに伴い、カジノ関連事業を運営している国内企業をいくつかピックアップしてみたいとおもいます。

セガサミーHD:シンガポール・韓国で統合型リゾート施設(IR)運営

まずは、セガサミーから。

仁川パラダイスシティ

セガサミーは、パチンコ・ゲーム事業以外にリゾート事業にも力を入れています。

2017年4月、リゾート事業の一環として韓国の仁川に統合型リゾート「パラダイスシティ」をオープン。

パラダイスシティは、韓国初の統合型リゾート(IR)施設として、330,000 ㎡の敷地内にラグジュアリーホテ ル、デザイナーズホテル、カジノ、商業施設、コンベンションホール、プレミアムスパなどを有しています。

カジノエリア

カジノエリアは、韓国最大級の施設面積を誇り、154台のゲームテーブル、281台のスロットマシーンが設置されています。

他にも2010年に、シンガポールへのIR建設の実績があり、外国人観光客数は2009年から2013年で6割増加の1,550万人。

また、間接雇用を含めて約6万人の新規雇用の創出するなどの実績を残しています。

日本でもカジノ法案が可決されたため韓国・シンガポールで実績をあげているセガサミーが国内カジノ事業に参入する可能性は、かなり高いと思われます。

決算資料の一部からも日本のカジノ法案の可決を待ちわびていた様子が伺えます。

(引用:カジノとセガサミー

ユニバーサルエンターテインメント:フィリピンにIR施設オープン

続いて、ユニバーサルエンターテインメント。

先日、創業者であり元会長の岡田氏が香港当局で逮捕されたことが記憶に新しいですが、今は「一切」関係がないそうです。

当社元取締役会長岡田和生氏の逮捕について


岡田会長は息子さんから「追放」されたという話もあります。

ユニバーサル創業者、「お家騒動」の和解求め家族を提訴



ユニバーサルエンターテインメントは、カジノ周辺機器の販売ならびにフィリピンでIR施設の運営も行なっています。

カジノ周辺機器

次世代ホールシステム「ファルコンX」では、顧客のデータ分析を手がけています。

分析した顧客データからゲーム中のメダルの残量などをリアルタイムに表示することが可能です。

さらに顧客の所持しているコインを把握することによって不正が行われていないかもリアルタイムにチェックすることができます。

IR施設

フィリピンのマニラにて統合リゾート(IR)施設「OKADA MANILA」を運営しています。

「OKADA MANILA」のカジノ施設は、テーブル500台、スロットマシン3000台を有しています。

セガサミーのシティパラダイスがテーブル154台、スロットマシン281台であるのを考慮すると莫大な規模を誇ります。

国内のIR施設に関しては、海外カジノ事業に実績があるセガサミーかユニバーサルエンターテインメントが手がけるのかもしれません。

(引用:ユニバーサルエンターテインメント

テックファームHD :カジノ向け電子決済サービス

次は、テックファームHD。


テックファームHDは、アプリ開発などの受託開発事業、カジノ施設向け電子決済システム、ホテル客室向けタブレットなどのサービスを提供しています。

ホテル向けタブレット事業の取引先としては、ホテル・ニューオータニーなどがあげられます。

そしてカジノ向け電子決済サービスを提供するのがテックファームHDの子会社であるPrism solutionsです。

Prism solutionsは、カジノの本場ラスベガスに拠点を置いています。

Prism solutionsが提供するアプリを使うことで、カジノ時に提出するチケットやクーポン券などをアプリ内に収容できるようになります。

Prism solutionsは、後ほど取り上げる日本金銭機械の米国子会社であるJCM社と提携し、カジノ施設向けに電子決済ソリューションサービスを開発。

キャリアや端末に依存せず、世界中のゲストが決済手段として利用できるサービスとして、米国内のカジノ施設で幅広く導入されています。

(引用:Prism solutions

日本金銭機械:紙幣鑑別機トップシェア

次は、紙幣鑑別機を販売している日本金銭機械。

日本金銭機械が提供する鑑別機は、我々の生活のあらゆるところで活躍しています。


金融機関からアミューズメントパーク、公共交通機関にまで日本金銭機械の鑑別機が内臓されています。

この日本金銭機械が提供する鑑別機によって偽札の流通が未然に防がれています。

日本金銭機械は、もともと日本円を専門とした紙幣鑑別機を提供していました。

しかし、1986年、世界規模で偽札が出回っていたアメリカドル札に目をつけ、アメリカドル紙幣の鑑別機を製造・販売します。

その後、アメリカのカジノ市場で最大のシェアを誇るIGT社に日本金銭機械の鑑別機が採用され、世界中のカジノやアミューズメント施設に普及しました。

現在、紙幣鑑別機は、世界市場の60%ものシェア占めており、カジノなどで使われるゲーミング向けプリンターは、世界市場の70%ものシェアを占めています。

そして国内のカジノ解禁をビジネスチャンスとして見ているようです。

カジノ市場は、厳しい法規制や審査を通った上で許可を受ける必要があるため参入障壁がかなり高くなっています。

日本金銭機械は、これらの全ての法規制や基準をクリアしており、北米で190を越えるゲーミング関連ライセンスを取得・管理。

これから日本のカジノ市場への参入が見込まれます。

(引用:日本金銭機械

グローリー:国内通貨処理機トップシェア

続いて、国内の通貨処理機の7割のシェアを占めるグローリー。

グローリーは、1918年(大正7年)に創業されました。2018年に創業100周年を迎えています。

創業当時は、電球の製造装置を修理する工場として事業をスタート。

1950年、国産初の硬貨計数機を開発し、造幣局に納入。

1958年には、タバコ販売機を販売開始。

その後、日本で最初に千円紙幣両替機を開発するなどし、日本における通貨処理機のパイオニアとしての地位を確立。

現在は、通貨処理機のパイオニアとして世界100ヶ国へ事業を拡大しています。

海外市場では、カジノ向けに紙幣処理機などを販売しており、日本でのカジノ解禁により、紙幣処理機の需要増加が見込まれています。

(引用:グローリー


今回、カジノ法案が可決したということで、カジノに関連している国内企業について取り上げてみました。

あまり世間に知られていない会社もありましたが、世界的にトップシェアを獲得している企業などがあり、驚きました。

今回取り上げた企業がどのように、このビジネスチャンスを活かしていくのかますます目が離せません。