コストコ・ホールセール・コーポレーション【COST】 NASDAQ

コストコ・ホールセール・コーポレーションは米国ワシントン州イサクアに本社をおく企業。1976年にサンディエゴで航空機の格納庫を改造し、「プライム・クラブ」として営業を開始した。その中で、スモールビジネスや個人向けの購買力に商機を見いだし、1983年にシアトルでコストコの一号店を開店。6年以内に30億ドルの売上を達成した最初の会社となった。営業哲学は「コストを低く保ち、節約した分を会員に還元する」。

コストコ・ホールセール・コーポレーション【COST】 NASDAQ

コストコ・ホールセール・コーポレーションは米国ワシントン州イサクアに本社をおく企業。1976年にサンディエゴで航空機の格納庫を改造し、「プライム・クラブ」として営業を開始した。その中で、スモールビジネスや個人向けの購買力に商機を見いだし、1983年にシアトルでコストコの一号店を開店。6年以内に30億ドルの売上を達成した最初の会社となった。営業哲学は「コストを低く保ち、節約した分を会員に還元する」。

事業内容

事業内容

Costco Wholesale Corporation(コストコ)は、高品質な優良ブランド商品をできる限りの低価格にて提供する「会員制倉庫型店舗」を運営している。プライベートブランド「KIRKLAND signature(カークランドシグネチャー)」も世界各地で根強い人気を誇る。

1983年にワシントン州シアトルで事業を開始し、主に米国とプエルトリコ、カナダ、英国、メキシコ、日本、韓国、オーストラリア、スペイン、フランス、アイスランド、中国、および台湾ので会員制倉庫型小売チェーンの運営に携わっている。

サービス・ビジネスモデル

Costcoの戦略は、他の場所よりも一貫して低価格で高品質な商品を幅広く会員に提供することである。商品は、売れ筋のモデル、サイズ、カラーに限定し、効率的な倉庫運営が経営を支えている。

Costcoは、ナショナルブランドの商品やプライベートブランドの商品を幅広いカテゴリーの限られた品揃えの中から低価格で提供することで、高い販売量と迅速な在庫回転率を実現するというコンセプトをもとに会員制倉庫の運営に成功した。大量購入、効率的な物流、セルフサービスの倉庫施設での商品の取り扱いを減らすことで効率的な運営を実現しており、これらの販売量と回転率の向上により、大幅に低い粗利益率(売上高から在庫回転率を差し引いた純利益率)での運営を実現している。

Costcoでは、商品のほとんどをメーカーから直接購入し、複数のベンダー(仕入先)からの貨物を物流センターに入荷後、在庫保管することなく、そのまま仕分けを行って出荷したり、直接倉庫に出荷したりすることで、倉庫運営にかかる費用を安く抑えている。メーカーから大量の出荷を受け取り、倉庫に迅速に出荷を行うことで貨物量と取扱効率が向上し、従来の多段階の流通経路に関連するコストの削減に成功した。

Costcoの平均的な倉庫スペースは約146,000平方フィートで、新しい倉庫の場合は少し大きくなっている。会員が買物で利用するフロアは、販売スペースの使用、商品の取り扱い、在庫の管理における経済性と効率性を考慮して設計されている。買物客は主に商品の質と価格の安さに惹かれるため、倉庫は手の込んだものとはしていない。出入り口の厳格な管理と会員制を採用することで、在庫ロス(縮小)は一般的な小売業に比べてかなり少なくなっている。倉庫は平均週7日、70時間で稼働している。他の小売業に比べて営業時間が短いことや、倉庫業特有の効率化により、販売量に比べて人件費が低くすることができている。

商品は売場の上の棚に保管され、大量のパレットに陳列されるのが一般的であり、人件費の削減も図られている。

Costcoの中核となる倉庫事業では、1倉庫あたり平均約3,700個の有効在庫保持単位(SKU)を保有しており、これは他の大手小売業者よりも大幅に少ないことが特徴である。多くの消耗品は、ケース、カートン、または複数パックの数量のみで販売されている。

会員に満足していただくために、Costcoは通常、商品の返品を受け付けており、特定の電子機器については、通常90日間の返品ポリシーを設けて、技術サポートサービスや延長保証を無料で提供している。一部の電子機器については、追加の第三者保証を利用することもできる。

商品販売チャネル

Costcoでは、会員制倉庫で以下のようなカテゴリーで商品を販売することを主要事業としている。

  • 食品および雑貨(乾物、包装食品、食料品、スナック菓子、キャンディ、アルコール飲料および非アルコール飲料、クリーニング用品を含む)
  • ハードライン(家電製品、電子機器、健康・美容補助器具、金物、庭園、パティオを含む)
  • 生鮮食品(肉・青果・惣菜・ベーカリー含む)
  • ソフトライン(アパレル・小型家電含む)
  • 付帯事業(ガソリン事業、薬局事業を含む)

Costcoでは、倉庫内や倉庫に隣接して、商品やサービスの拡充を図り、会員の皆様にお買い物の頻度を高めていただくための付帯事業を行っている。この付帯事業には、ガソリンスタンド、薬局、調剤センター、フードコート、補聴器センターなどがある。ガソリンスタンドのある倉庫の数は国によって大きく異なり、現在、韓国、フランス、中国ではガソリンスタンド事業を行っていない。2019年末時点で593のガソリンスタンドを運営している。Costcoのガソリン事業の売上高は、2019年の総売上高の約11%を占めている。

Costcoは電子商取引事業も手掛けており、会員とオンラインでつながり、倉庫にはない多くの商品やサービスを追加で提供することができる。2019年末時点で、Costcoは米国、カナダ、メキシコ、英国、韓国、台湾でEコマースサイトを運営している。eコマースの売上高は、2019年の総売上高の約4%を占めている。さらに、一部の国では、ビジネスデリバリー、旅行、その他様々なサービスをオンラインで提供することも行っている。

Costcoは、ナショナルブランドの商品を生産する多くの生産者と直接購入関係を持っている。私たちは、1つのサプライヤーから商品を入手していない。Costcoは、商品の十分な量を入手することに困難を経験しておらず、現在の供給源が利用できなくなった場合には、実質的な損害を与えることなく代替の供給源を入手できるようコントロールしている。


2020年8月期 Annual Report FORM 10-K(提出日:2020年10月7日)

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