事業内容
沿革・会社概要
Align Technology, Inc.は、米国カリフォルニア州サンノゼに本社を置く、歯列矯正で使用される3Dデジタルスキャナーとマウスピースの医療機器企業である。
Align Technologyは、マウスピース矯正と口腔内スキャナーの設計、製造、販売を行うグローバルな医療機器企業である。Align Technologyの製品は、不正咬合や歯並びのズレの治療を目的としている。
Align Technologyは、1997年に設立され、1998年に米国食品医薬品局(FDA)から『Invisalign』システムの販売許可を取得した。
Align Technologyは、米国カリフォルニア州サンノゼに本社を置き、欧州・中東・アフリカ地域本部はスイスのロートクロイツにあり、アジア太平洋地域本部はシンガポールにある。
事業内容
Align Technologyは、製品の大部分を顧客である矯正歯科医と開業歯科医、審美歯科医に直接販売、もしくは一部の国で販売代理店を通じて販売している。歯科医院と契約し、非臨床業務を含む経営管理やサポートを提供するデンタルサポートオーガニゼーション(DSO)への直販や、歯科医師が口腔ケアのために使用する各種製品の製造や歯科技工所への直販も行っている。
患者に『Invisalign』矯正治療を提供するためには、矯正歯科医や開業医は、『Invisalign』のトレーニングコースを修了しなければならない。『Invisalign』システムは、主に北米、アジア太平洋地域、欧州・中東・アフリカ地域、ラテンアメリカの直販部隊を通じて販売されている。これまでに世界中で800万人以上の人々が、『Invisalign』システムの治療を受けている(2019年12月31日時点)。
Align TechnologyのiTeroスキャナーは、歯科専門家や歯科技工所が、『Invisalign』の症例提出や修復、矯正のデジタル処置に使用している。
製品・サービス
『Invisalign』システム
『Invisalign』システムは、コンピューターシミュレーションによる仮想治療計画と、カスタムメイドの透明プラスチック製リムーバブルマウスピースを使用する不正咬合の治療方法である。『Invisalign』システムは、治療の選択肢、専門的なサービス、治療の可視化のための独自のソフトウェアを提供している。
『Invisalign』の訓練を受けた歯科専門家は、『Invisalign』ドクターサイトでオンライン処方箋を作成し、患者の記録を提出する。記録には、口腔内デジタルスキャン、関係する歯列アーチの印象、患者の写真または歯列のX線写真が含まれる。
口腔内デジタルスキャンは、Align TechnologyのiTeroスキャナー、またはサードパーティ製スキャナーのいずれかを使用して提出することができる。『Invisalign』症例提出がデジタルスキャンで提出されることで、治療の精度が向上し、処方箋提出から患者の受領までの時間が短縮される。
歯科専門家は、Align Technologyのソフトウェアを使用して、「ClinCheck治療計画」と呼ばれるカスタムの3次元治療計画案を作成する。「ClinCheck治療計画」は、予想される歯の動きを段階的にシミュレーションし、治療中に使用する機能やアタッチメントのタイミングや配置を詳細に提示する。
「ClinCheck治療計画」は、『Invisalign』ドクターサイトを介して、歯科医師が初期位置から最終位置までの歯の動きを投影し、複数の治療計画の選択肢を比較することができる。治療計画を確認し、必要に応じて修正することで、歯科専門家は患者の治療をコントロールすることができる。
歯科医師が「ClinCheck治療計画」を承認すると、シミュレーションの基礎となるデータを、3Dプリント技術と組み合わせて使用し、患者の歯の将来の位置を描いた一連の型を作成する。それぞれの型は、シミュレーションされた治療の各段階における患者の歯のレプリカであり、これらの型にポリマーシートを圧入してマウスピースを作製する。マウスピースは、薄くて透明なプラスチック製の取り外し可能な歯科用器具で、患者の「ClinCheck治療計画」の各段階に対応するように、カスタムメイドで製造される。
治療計画に使用するマウスピースは歯科医師に直接送られ、歯科医師は治療期間中の定期的な検診で患者にマウスピースを配布する。マウスピースは通常、「ClinCheck治療計画」の段階に応じて、1~2週間の期間装着され、患者は段階ごとに処方されたマウスピースに交換する。
Align Technologyは、治療成績の改善や、より広範な臨床適応症に対応するために、『Invisalign』システム全体に強化された機能を導入している。2018年には『Invisalign First』クリアアライナーを導入し、若い患者向けの初期の混合歯列のための機能を搭載した。
口腔内スキャナー
歯科医師がハンドヘルド口腔内スキャナーを使用して患者の歯の3Dデジタルスキャンを作成できるようにすることで、物理的な印象に比べて、より速く、より効率的で、正確なものになる。デジタルスキャンされた模型の精度は、修復物の作り直しの割合を大幅に減少させる。
『iTero Element』『iTero Element 2』『iTero Element Flex』スキャナーは、単一のハードウェアのほか、修復または矯正処置用のソフトウェアオプションも用意されている。iTeroスキャナーは、Align Technologyの『Invisalign』治療との相互運用性があり、『Invisalign』症例の一部としてフルデジタルスキャンを提出することができる。
2019年には、3D、口腔内カラー、近赤外線画像を同時に記録する統合型歯科用画像処理システム、『iTero Element 5D』スキャナーを販売した。
2019年6月には、修復ソフトウェア付き口腔内スキャナー『iTero Element Foundation』の発売を発表した。
iTero用『Restorative』ソフトウェアには、デジタル印象を選択したラボに送信し、外部治療計画、カスタムインプラント、ラボのCAD/CAMシステムとシームレスに通信する機能が含まれている。
『Invisalign Outcome Simulator』は、医師が患者に『Invisalign』治療終了後の歯の状態を視覚化して見せるための、iTeroスキャナー用のアプリケーションである。『Invisalign』治療後の最終的なシミュレーション画像と、患者の現在の歯列のイメージを二重表示する。
『Invisalign』の進行度評価ツールでは、患者の新しいスキャンと「ClinCheck治療計画」の特定のステージを比較することができる。タイムラプス技術により、歯科医師は患者の過去の3Dスキャンと現在のスキャンを比較して、歯列矯正の動き、歯の摩耗、歯肉を特定して測定することができる。