Asana（アサナ）は、Facebook共同創業者のダスティン・モスコヴィッツがはじめたプロジェクト管理ツールだ。日本でも導入している企業は多く、導入事例には資生堂やリクルートのようなトップ企業が並ぶ。

かつてマーク・ザッカーバーグと大学のルームメイトだったモスコヴィッツは、ソーシャルグラフならぬ「ワークグラフ」という考えをもとに、タスクを整理するSaaSを展開した。

Asanaは2020年の株式上場以来、高成長クラウド銘柄の一つとして高い人気を集めた。時価総額は2021年に一時250億ドルを超えたが、今は43億ドルに落ち着いている。

今回、Asanaを取り上げる理由は、同社がアライン・テクノロジー（Align Technology、米国）と提携するという不思議なニュースを目にしたためだ。アラインテクノロジーは、プラスチック歯列矯正で世界最大の「インビザライン」を手掛ける。

いつも使っているプロジェクト管理ツールが歯列矯正の会社と提携すると言ったら、いぶかしく思う人は少なくないはずである。今回の記事では、一見不思議な提携の陰に垣間見えるAsanaの戦略について解説する。