セリアは、100円ショップの小売業と卸売業を主軸に事業を展開しています。同社は100円ショップ事業を単一のセグメントとして位置づけ、消費者に直接商品を販売する小売業務と、フランチャイジー（FC）や大口顧客への卸売業務を行っています。FC店舗や自社店舗を通じて最終消費者に商品を提供しており、海外FC店向けの輸出や国内代理店への卸売も手掛けています。また、FC店との契約では商標の利用は任意であり、ロイヤリティを徴求していない点が特徴です。

セリアの取り扱い商品は、雑貨や菓子食品に大別され、さらにメイクアップ・ケア用品、アクセサリー、衛生・健康用品、バス・トイレタリー用品、キッチン用品、インテリア用品、文具、園芸装飾・道具、ペット用品、DIY用品など、多岐にわたるカテゴリーに分類されています。これらの商品は、日常生活の様々なシーンで利用されることを目的としており、消費者のニーズに幅広く応える商品構成となっています。セリアは、これらの商品を通じて、価値ある消費体験を提供し続けています。

セリアは、100円ショップ業界において、独自の成長戦略を推進しています。同社は、経営理念「クリーン、感謝、共有」を軸に、顧客満足度の向上、公平で開かれた職場環境の実現、そして誠実な取引関係の構築を目指しています。これらの基本方針の下、セリアは「価値ある商品」の提供を通じて、100円という価格帯で新たな価値を創造し続けることを目標としています。

市場環境としては、100円ショップ業界が寡占状態にありながらも、市場の飽和が指摘されています。このような状況の中、セリアは100円商品に特化することで、市場シェアの拡大を狙っています。また、国内全地域での出店拡大とシェア獲得を目標に掲げ、売上高営業利益率5%以上の維持を目指しています。

中期経営計画では、2023年4月から2026年3月までの期間において、多様化するニーズに応える商品開発、戦略的な出店によるシェア拡大、オペレーションの効率化を経営目標としています。これらの目標を達成するために、顧客層の拡大、定番商品のブラッシュアップ、複数出店案件が見込める企業との関係強化、未出店地域の重点開拓、セルフレジの活用、社内システムの継続的改善といった6つの機能別戦略を立案し、全社を挙げて取り組んでいます。

セリアは、これらの戦略を通じて、商品市況の変動や商圏の変化など様々なリスクに適切に対処しながら、魅力ある商品の開発と買い心地の良い店舗づくり、業務の効率化を進め、企業価値の向上を目指しています。