事業内容
沿革・企業概要
Domino’s Pizza（ドミノ・ピザ）は、米国を本社とする世界最大級の宅配ピザ会社。2020年時点で宅配ピザの市場シェア約2割を握っており、世界90カ国に17,000以上の店舗を展開している。
設立は1960年で、当初は”便利なピザ配達の会社”をコンセプトとして設立されたが、直近はフランチャイザー（権利や商標、ノウハウなどを提供すること）としての収益が主である。
創業者であるトーマスとジェームズ・モナハンは兄弟であり、1960年、二人は900ドルを借り入れてミシガン州イプシランティに小さなピザ店を開いた。これが後のDomino’s Pizzaの1号店となる。
1970年代までは、大学のキャンパス付近や軍事基地の近くに集中的に出店していたが、1980年代以降、大都市や住宅街にも急速に店舗を拡大させていった。
社名は1965年より『Domino’s Pizza』となり、1967年よりフランチャイズ事業を始めている。1983年には初の海外店舗をカナダとオーストラリアにオープンさせている。
創業者のひとりであるモナハンは、1998年に自身の持ち株のうちの9割強をPEファンド（プライベートエクイティファンド）であるベインキャピタルとLLCに売却した。そして2004年には残りの株も全て売却して、完全に事業を譲渡している。
事業内容
Domino’s Pizza（ドミノ・ピザ）は、宅配ピザ店世界各地でフランチャイズ展開しており、顧客へ魅力的で質の高いピザを提供することを目的としたメニューを提供している。基本的なメニューとして様々なサイズとクラストタイプのピザを用意し、オーブンで焼いたサンドイッチ、パスタ、骨なしチキンや手羽先、デザート、ソフトドリンクなども取り揃える。
Domino’s Pizzaはローカライズにも注力しており、日本ではイカ、インドではスパイシーチーズのように国や文化によってトッピングが異なる。ブラジルではバナナとシナモンのデザートピザのように、地域の特産品を取り入れることが多い。
売上構成・ビジネスモデル
Domino’s Pizzaは米国における直営店運営のほか、フランチャイズフィー、広告、生地製造によるサプライチェーン事業、および米国外におけるフランチャイズ事業から収益を生み出している。
フランチャイズフィー
ドミノピザの店舗のうち、ほぼ全てが独立したフランチャイズ店として運営されている。フランチャイジー（加盟店側）は、従業員の雇用を一任される一方、プライシング（価格づけ）やDominoのブランド力、オペレーティングシステム、財務的な面で恩恵を受けることが出来る。
Domino’s Pizzaでは、”簡単に注文でき、価格競争力があり、高品質な商品を提供できる”ことを強みとしている。フランチャイジーは、Domino’s Pizzaの技術革新によって生み出された効率的な業務オペレーションを享受しながら、この強みを実現している。
Domino’s Pizzaは、フランチャイジーにロイヤルティ（特定の権利を利用する企業が、権利を持つ者に支払う対価を指す）と手数料を請求することで、収益を生み出している。ロイヤルティは、店舗の売上に応じて、売上のうち一定の割合を請求する形としている。
フランチャイズ広告
2018年にASC606「顧客との契約からの収益」を適用した結果、DNAFへの米国フランチャイズ拠出金に関連する収益および費用の認識と開示を開始した。以前の会計基準では、連結損益計算書に関連する支出とともに寄付金を純額で表示していたが、2018年3月31日より、この寄付金を売上および費用にて純額で表示している。
サプライチェーン（フランチャイジーへの食品・設備等の提供）
Domino’s Pizzaは、米国の19の地域で、生地製造および食品サプライチェーンセンターを運営している。また、カナダでは、生地製造および食品サプライチェーンセンターを5拠点運営している（2019年12月時点）。
強み
Domino’s Pizzaは自社の強みとして、以下を挙げている。
強いブランド力
冒頭にも述べた通り、Domino’s Pizzaは世界最大級のピザ会社であり、ドミノのブランドは世界で広く認知されている。また、広告にも巨額の投資を実行し、更なるブランド力強化を目指している。
実績のある強固なビジネスモデル
Domino’s Pizzaのビジネスモデルは、米国内外のフランチャイズ収益、サプライチェーン収益、および直営店での小売収益を生み出している。これは長年の研究による成果である。
Domino’s Pizzaは起業家精神にあふれており、フランチャイズの加盟店の店舗レベルにまでこの文化は浸透している。
技術革新
Domino’s Pizzaは、技術革新がブランドの長期的な成長に不可欠であると述べている。
2020年現在、グローバルなピザ業界において更に競争力を強化するするためには、デジタル注文が不可欠である。
2019年には、世界全体の小売売上高の半分以上が、オンライン注文サイトとモバイルアプリによって得られている。
商品革新
2009年後半に、Domino’s Pizzaは手打ちピザの商品を復刻版として始め、これにより顧客の再注文率が上がり、売上の増加を実現している。
生地の自社製造とサプライチェーンシステム
Domino’s Pizzaはサプライチェーンシステム（原材料の調達、製造、流通、販売までの一連の流れ）を整理し、自社でピザ生地を製造することで、製品の品質を担保し、フランチャイズ店との関係を強化し、また、規模の経済を活用して低コスト製造を実現している。
アイデアを生み出す力
Domino’s Pizzaはビジネスチャンスを活かすこと、全力を尽くすこと、魅力的なソリューションを検討すること、チームワークを重視すること、誠実であることを重視しており、これがアイデアを生み出す力に繋がっていると述べている。
環境への責任
Domino’s Pizzaは、食品と包装の双方において、エネルギー、廃水、土地利用、廃棄物の削減など、環境への影響を削減するための取り組みを開始している。
地域社会への貢献
Domino’s Pizzaは、世界の恵まれない人達へ、金銭やピザを寄付する活動を行っており、このことが地域社会への貢献に繋がっていると述べている。
