事業内容
上組は、物流サービス事業を中心に、多岐にわたる事業を展開している企業グループです。このグループは、上組本体および子会社24社、関連会社18社から成り立っています。事業内容は大きく分けて「物流事業」と「その他事業」の2つのセグメントに区分されます。
物流事業では、港湾荷役、コンテナターミナル運営、上屋保管などの港湾運送業務、貨物の保管や入出庫作業を行う倉庫業、貨物自動車運送業、国内外の運輸関連事業、国際複合一貫輸送などを手掛けています。このセグメントには、上組陸運株式会社をはじめとする20社の子会社と、KLKGホールディングス株式会社など14社の関連会社が含まれます。
一方、その他事業セグメントでは、重量建設機工事業、不動産賃貸事業、酒類の製造販売、物品の販売・リース、金融業、農産物生産販売業、太陽光発電事業、ソフトウェアの開発・設計及びメンテナンスなど、多様な事業を展開しています。このセグメントには、株式会社カミックスなど2社の子会社と、株式会社神戸港国際流通センターなど2社の関連会社が関わっています。
上組グループは、これらの事業を通じて、国内外で幅広いサービスを提供し、多角的なビジネスモデルを構築しています。
経営方針
上組は、物流サービスを核とした多角的なビジネスを展開する企業グループです。同社は、物流業界における総合的なマネジメント能力を強化し、グローバル企業としての地位を確固たるものにするため、中期経営計画を策定し実行しています。この計画では、「基幹事業の強化」、「海外事業の収益性強化」、「新規事業の開拓」、「人材確保・育成強化」、「DXによる事業の強化」という5つの重点戦略を掲げています。
具体的には、コンテナターミナルの競争力強化や青果流通加工業務の受注拡大など、基幹事業の強化を図ります。また、海外事業では「選択と集中」による投資地域・事業の選別を進め、新規事業では新エネルギー関連物流やサプライチェーンマネジメント(SCM)業務の拡大に注力します。人材面では、中核人材の育成強化と有能な人材の確保・定着に努め、DXを通じて事業インフラの強化や顧客満足度の向上を目指します。
財務戦略としては、300億円規模の負債調達を通じた事業投資や利益還元の活用、600億円規模の事業投資拡大、M&Aや資本業務提携による120億円規模の戦略投資を計画しています。また、連結配当性向40%を目安に株式配当を実施し、総額300億円規模の自己株式取得を行い、発行済株式総数の5%を超過する分は消却することで、利益還元の積極化を図ります。
さらに、ESGへの取り組みとして、脱炭素社会への貢献、人材多様性の確保、ガバナンスの強化に努めています。これらの戦略を通じて、2025年3月期の連結業績目標として営業収益3,100億円、営業利益330億円、経常利益350億円を目指し、ROE6.5%、自己資本比率80%以下を財務指標の目標として掲げています。上組は、これらの取り組みを通じて、企業価値の更なる向上を目指しています。