事業内容
ヤマトホールディングス株式会社(以下、同社)とそのグループ企業は、44の子会社と28の関連会社を含む広範なネットワークを有しています。同社グループは、主に「リテール部門」と「法人部門」の2つのセグメントで事業を展開しています。
リテール部門では、宅急便をはじめとする小口輸送サービスを国内の幅広い顧客に提供しています。この部門は、個人および中小法人顧客向けの宅配事業を中心に展開しており、ヤマト運輸株式会社、ヤマトコンタクトサービス株式会社、Packcity Japan株式会社などが主要な会社として位置づけられています。
一方、法人部門では、企業物流のサプライチェーン全体にわたる価値提供を目指しています。大規模法人顧客向けの運送事業、物流センターの企画運営業、通関業、航空運送代理店業、決済サービス事業などが含まれます。このセグメントには、ヤマト運輸株式会社をはじめ、沖縄ヤマト運輸株式会社、ヤマトマルチチャーター株式会社、神戸ヤマト運輸株式会社、湖南工業株式会社、ヤマトダイアログ&メディア株式会社、さらには海外の子会社も含まれています。
さらに、「その他」のセグメントでは、リテール・法人の両セグメントを支えるITやメンテナンスの機能、および多様な形態の輸送事業を通じて、グループ全体としての顧客への価値提供を最大化しています。この部門には、ヤマト運輸株式会社、ヤマトシステム開発株式会社、ヤマトオートワークス株式会社などが含まれます。
同社グループは、これらの事業セグメントを通じて、国内外の顧客に対して幅広い物流サービスを提供しています。
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経営方針
ヤマトホールディングス株式会社(以下、同社)は、社会的インフラとしての宅急便ネットワークの高度化、生活関連サービスの創造、革新的な物流システムの開発を通じて、豊かな社会の実現に貢献することを経営理念に掲げています。同社は、中期経営計画「Oneヤマト2023」を基軸に、生活様式の変化と流通構造の変化に対応するサプライチェーンの変革に取り組んでいます。この計画では、2024年3月期に向けて、連結営業収益1兆8,600億円、連結営業利益800億円(連結営業利益率4.3%)、ROE8.3%を目標としています。
同社は、ネットワーク・オペレーション構造改革、法人ビジネス領域の拡大、持続的な企業価値向上を実現する戦略の3つの重点領域に注力しています。具体的には、宅急便ネットワークの変革、セグメント別の専用ネットワークの構築・拡大、営業所の集約・大型化を推進し、国内外の顧客のサプライチェーンに対する提供価値の拡大を目指しています。また、デジタル戦略、人事戦略、環境戦略を推進し、収益性と成長力の向上を図っています。
さらに、2050年の温室効果ガス自社排出実質ゼロに向けたグリーン物流の推進や、サステナブル経営の強化、コーポレート・ガバナンスの強化にも取り組んでいます。これらの戦略を通じて、同社は外部環境の変化や経営構造改革の進展を踏まえ、事業構造改革の取り組みを深化させ、持続的な企業価値向上の基盤を強化していく方針です。