事業内容
ローランドは、電子楽器の開発、製造、販売を主軸に据えるグローバル企業です。同社グループは、ローランド本体、子会社19社、関連会社1社から構成され、電子ピアノ、ドラム、シンセサイザー、ギター関連機器など多岐にわたる製品を提供しています。1972年の設立以来、エレクトロニクス技術の進歩に合わせて研究開発を重ね、楽器市場に新たな価値を提案し続けてきました。また、「音」と「映像」の融合にも早期から取り組み、映像関連機器の開発・販売も手がけています。
ローランドは、世界各地に販売会社を設立し、特に欧州、北米、新興国市場において現地の音楽文化や需要に即した製品投入で販売拡大を図っています。製造面では、海外生産を基本としつつ、製品特性に応じて自社工場や外部委託の最適な拠点を選択しています。
同社グループは「電子楽器事業」の単一セグメントで活動し、ローランド本体は製品の企画や研究開発、グループ全体の監督、予算及び事業計画の承認、映像関連機器の生産、日本国内市場への販売など多岐にわたる機能を担っています。製造子会社2社のうち、Roland Manufacturing Malaysia Sdn. Bhd.はマレーシアにある主力生産拠点です。販売子会社は計9社あり、米州、欧州、アジア・オセアニア地域に設置されており、それぞれの市場や商習慣に合わせた販売活動を展開しています。また、ドラム事業の開発、製造、販売を担うDrum Workshop, Inc.など、特定の事業に特化した子会社も存在します。
特集記事
経営方針
ローランドは、2023年からの3年間を対象とした中期経営計画を策定し、音楽創造分野において世界的リーダーを目指しています。同社の経営理念は、「創造の喜びを世界に広める」「BIGGESTよりBESTになる」「共感を呼ぶ企業になる」という3つのスローガンに集約されています。これらは、ローランドが目指す企業像とその存在意義を示しています。
中期経営計画では、「Create Fans For Life!」をスローガンに掲げ、生涯にわたるファンを生み出し、より多くの音楽愛好家に愛されるブランドを目指しています。具体的な施策として、市場創造と潜在顧客へのアプローチに注力し、Game Changer製品・サービスの開発、新製品投入による新たな市場創造を目指します。また、ピアノやドラム事業においては、新規チャネルの開拓や製品拡充を通じてビジネスの拡大を図ります。
シェア拡大のためには、ポータブル・キーボード市場への再参入や新興国での販売拡大、Roland Retailによるシェア拡大を推進します。顧客接点の質と量を向上させるため、Roland Direct StoreやStore in Store、Roland Direct ECなどの販売チャネルを通じて顧客と直接つながる取り組みを強化します。
ライフタイムバリューの向上には、Roland CloudやRoland Platformを通じたパーソナライズされた体験サービスの提供や、顧客理解に基づく製品やサービスの充実化、マーケティングの最適化を目指します。さらに、ブランディングの強化やグローバル人事、基盤強化、サプライチェーンの高度化など、長期ビジョン実現に向けた基盤の強化にも取り組んでいます。
これらの施策を通じて、ローランドは不確実な環境下でも売上と利益を創出し、すべてのステークホルダーにとっての事業価値を持続的に向上させることを目指しています。