事業内容
DICは、包括的な化学製品メーカーであり、その事業は主に3つのセグメントに分かれています。第一のセグメントは「パッケージング&グラフィック」で、ここではプリンティングマテリアルとパッケージングマテリアルが主要製品です。プリンティングマテリアルには、グラビアインキ、フレキソインキ、オフセットインキ、新聞インキ、ジェットインキ、金属インキ、印刷用プレート、セキュリティインキが含まれます。パッケージングマテリアルには、ポリスチレン、包材用接着剤、多層フィルムが含まれます。
第二のセグメントは「カラー&ディスプレイ」で、カラーマテリアルとディスプレイマテリアルが主要製品です。カラーマテリアルには、塗料用顔料、プラスチック用顔料、インキ用顔料、スペシャリティ用顔料、カラーフィルタ用顔料、化粧品用顔料、ヘルスケア食品が含まれます。ディスプレイマテリアルには、TFT液晶、STN液晶が含まれます。
第三のセグメントは「ファンクショナルプロダクツ」で、パフォーマンスマテリアルとコンポジットマテリアルが主要製品です。パフォーマンスマテリアルには、インキ・塗料用、成形用、接着用、繊維加工用の各種合成樹脂(ポリエステル、エポキシ、ウレタン、アクリル、改質剤、フェノール)、製紙用薬品、硫化油、繊維着色剤、金属石鹸、電子材料用界面活性剤が含まれます。コンポジットマテリアルには、PPSコンパウンド、樹脂着色剤、住宅内装建材、工業用テープ、中空糸膜、中空糸膜モジュール、理化学・診断薬資材、機能性光学材料が含まれます。
これらのセグメントを通じて、DICは多岐にわたる産業に対して高品質な製品とサービスを提供しています。
特集記事
経営方針
DICは、その中期経営計画「DIC Vision 2030」を通じて、社会の持続的繁栄に貢献する事業ポートフォリオの構築を目指しています。この計画では、「グリーン」「デジタル」「Quality of Life(QOL)」の3つの社会的要請に対応するため、DICの強みを活かせる5つの重点事業領域を定めています。これらの領域は、サステナブルエネルギー、ヘルスケア、スマートリビング、カラーサイエンス、サステナブルパッケージングに焦点を当てています。
同社は、これらの重点領域において、市場成長性と社会への影響度を基準に、社会課題とDICの強みが重なり合う分野での事業展開を進めています。特に、サステナブルエネルギーとヘルスケア領域を新たな事業の柱として育成し、スマートリビング、カラーサイエンス、サステナブルパッケージ領域では、よりサステナブルな事業への転換を推進しています。
この戦略の下、DICは人的資本経営の強化、戦略投資、技術プラットフォームの拡充、グローバル経営体制の強化、IT・DXの推進など、重要施策を実行しています。また、サステナビリティ戦略として、社会課題の解決に貢献できるサステナブル製品の拡大、CO₂排出量削減の推進、サーキュラーエコノミーへの対応を進めています。
「DIC Vision 2030」の基本方針は、進化した「Color & Comfort」の価値提供を通じて、社会的利益を追求し、長期的な企業価値の向上を目指すことにあります。DICは、インキ製品に依存しない事業ポートフォリオの確立とカーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みを進めています。