事業内容
住友化学は、エッセンシャルケミカルズ、エネルギー・機能材料、情報電子化学、健康・農業関連事業、医薬品、その他の6つの事業セグメントを持つ大手化学メーカーです。
エッセンシャルケミカルズ部門では、合成樹脂、合成繊維原料、工業薬品、メタアクリル、合成樹脂加工製品などを製造・販売しています。主な関係会社には日本シンガポール石油化学、ペトロケミカル コーポレーション オブ シンガポール、ザ ポリオレフィン カンパニー(シンガポール)などがあります。
エネルギー・機能材料部門では、アルミナ製品、アルミニウム、化成品、添加剤、合成ゴム、エンジニアリングプラスチックス、電池部材などを手がけています。主な関係会社に㈱田中化学研究所、広栄化学、田岡化学工業、SSLM㈱などがあります。
情報電子化学部門は、光学製品、半導体プロセス材料、化合物半導体材料、タッチセンサーパネルなどを製造・販売しています。東友ファインケム、スミカ セミコンダクター マテリアルズ テキサス、住化電子材料科技(無錫)、住華科技、旭友電子材料科技(無錫)が主な関係会社です。
健康・農業関連事業部門では、農薬、肥料、農業資材、家庭用・防疫用殺虫剤、熱帯感染症対策資材、飼料添加物、医薬品原薬・中間体などを手がけています。ベーラント ノースアメリカ、ベーラント バイオサイエンス、スミトモ ケミカル ブラジル インダストリア キミカ、スミトモ ケミカル チリ、スミトモ ケミカル インディアが主な関係会社です。
医薬品部門は、医療用医薬品、放射性診断薬などを製造・販売しており、住友ファーマ、スミトモ ファーマ アメリカ ホールディングス、サノビオン ファーマシューティカルズ、スミトモ ファーマ オンコロジーなどが主な関係会社です。
その他部門では、電力・蒸気の供給、化学産業設備の設計・工事監督、運送・倉庫業務、物性分析・環境分析業務などを行っています。住友ベークライト、住友精化、稲畑産業、神東塗料などが主な関係会社です。
経営方針
住友化学は、グリーントランスフォーメーション(GX)とデジタルトランスフォーメーション(DX)を成長戦略の中核に据えています。
GXの取り組みでは、2030年までにグループのGHG排出量を2013年度比で50%削減し、2050年のカーボンニュートラル実現を目指しています。具体的には、LNGへの燃料転換や製造プロセスの省エネ・合理化、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルの技術開発などに取り組んでいます。
DXの取り組みでは、研究開発、プラント、サプライチェーン、オフィスの4領域での生産性向上に加え、事業特性に応じたDX課題への取り組みや新たなビジネスモデルの創出を目指しています。
各事業部門の戦略は以下の通りです。
エッセンシャルケミカルズ部門では、GXを意識した事業ポートフォリオの変革、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルの技術開発、高付加価値品への移行、生産最適化などに取り組みます。
エネルギー・機能材料部門では、電池部材やスーパーエンジニアリングプラスチックスを成長事業と位置づけ、集中的に資源を投下します。一方、低採算事業については縮小・撤退を検討します。
情報電子化学部門では、ディスプレイ関連材料事業で有機ELディスプレイ向け材料等の高付加価値品の開発・拡販、半導体関連材料事業で先端材料の開発・拡販に注力します。
健康・農業関連事業部門では、バイオラショナル・ボタニカル事業の拡大、化学農薬の大型新規剤の販売最大化、再生・細胞医薬品等の新規事業開発に取り組みます。
医薬品部門では、ラツーダの独占販売期間終了後の収益基盤確立が最優先課題です。オルゴビクス、マイフェンブリー、ジェムテサを基幹3製品と位置づけ、販売拡大を図ります。
このように、住友化学は事業ポートフォリオの変革とDXの推進により、GXの視点から社会課題の解決に貢献し、持続的な成長を目指しています。