伝説的CEOが再興戦略を進めるウォルト・ディズニー、株式市場が悲観的な理由
ウォルト・ディズニーの株価が低迷している。
コロナ禍ではテーマパーク事業が大打撃を受け、前CEOの肝いりで動画配信サービス『ディズニープラス』を打ち出した。有料会員を急激に伸ばしたものの黒字化は遠く、やがて株式市場も失望させた。
2022年末には前々CEOのボブ・アイガーが復帰し、経営の立て直しを進めてきた。筆者の気のせいかもしれないが、同社の開示資料は見た目と構成がNetflixに似てきた。そこに記された今後の方針は、大きく四つある。
一つ目は映像スタジオの再建。二つ目が動画配信サービスの黒字成長。三つ目は、ESPNを突出したデジタルスポーツプラットフォームにすること。そして最後が、テーマパーク事業などの長期的な成長を後押しすることだ。
アイガーCEOは、エンタメコングロマリットとしてのディズニーを作り上げた伝説的な経営者だ。それでも市場が悲観する理由とはなんなのか。今回の記事では同社の戦略と厳しい現実の対比を紹介する。