近代的経営手法の立役者!GM中興の祖「アルフレッド・スローンJr」の半生
(前回の続き)
米国最大の自動車メーカー、ゼネラルモーターズ(GM)。
2009年には事実上の経営破綻に陥り、米国政府によって一時国有化された。前回取り上げたように、創業して間もない時から何度も経営危機に陥ってきたのがGMという会社だ。
意外なことに(?)、そんなGMこそが現代的な経営手法を確立した企業でもある。大量生産もままならず、自動車の需要も安定しない頃から数多くの買収を行い、組織を巨大化させてきた。
創業者のデュラントはいわゆる「破天荒タイプ」。突飛な行動で周囲を混乱させた一方、早くから自動車産業の可能性に気付き、複数ブランドを抱える分散型組織を作ろうとした。
そして、デュラントが夢見た「最強の自動車会社」を、実際に形にした経営者こそがアルフレッド・スローンJrだ。スローンのもと、GMはフォードの牙城を崩し、米国最大の自動車メーカーとして地位を確立した。
今回の記事では、スローンが事業家としてキャリアを築き、GMの社長になるまでの経緯をストーリー立てて紹介する。そこに見えるのは、圧倒的な「実務家」としての経営者像である。