フォードより面白い?ゼネラルモーターズを生んだウィリアム・デュラントの生涯
自動車産業におけるイノベーションといえば、何を思い浮かべるだろう。
1908年に発売された「T型フォード」を連想する人は少なくないはずだ。世界初の大量生産車として、文字通り人々の生活を変えた。大成功を収めたヘンリー・フォード自身も、20世紀を代表する企業家として知られる。
あるいは「トヨタ生産方式」を挙げるかもしれない。フォードが常識にした「少車種・大量生産」を疑い、必要なものを必要なだけ作るジャストインタイム方式を確立。世界中の製造業に革新をもたらした。
自動車は製造業なので、製造プロセスに脚光が当たるのは当然だ。しかし、「経営スタイル」にも大きな革新があったと言って、思い当たるものはあるだろうか?
大量生産がままならない昔から、無謀にも多角的な商品戦略を打ち出した会社がある。米国最大の自動車メーカー、ゼネラル・モーターズ(GM)だ。創業当初からGMは企業買収を繰り返し、何度も危機に陥った。
しかしGMこそ、現代的な経営手法を生んだ企業であることは意外と知られていない。それ以上にスポットが当たらないのが創業者のウィリアム・デュラントだ。今回の記事では、GMの歴史特集の第一弾として、彼の生涯について紹介する。