バンダイナムコHDの企業価値について考えます。
同社は、「ウルトラマン」「仮面ライダー」シリーズから「プリキュア」「ドラゴンボール」「ワンピース」「機動戦士ガンダム」「ラブライブ!」にいたるまで、幅広いIP(知的財産)を有しています。
昨今、スマホゲーム業界では有力IPをライセンスしてゲームを当てる、という流れがかなり主流になってきています。
そう考えると、今後バンナムの地位はどんどん確かなものになってくるのではないでしょうか。
フリーキャッシュフローは年々増加し、2016年には493億円にまで達しています。
4年間のフリーキャッシュフロー成長率の平均値は121%となっており、毎年21%ずつ生み出されるキャッシュが増大しているということになります。
今後もこのペースで成長し続けると期待したいところですが、直近の四半期決算では売上高は0.5%の現象、通期目標も現状維持となっています。
そのため、キャッシュフローは2016年の水準から変わらないものとして試算してみます。
年 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
---|---|---|---|---|---|
予測FCF | 493億1600万 | 493億1600万 | 493億1600万 | 493億1600万 | 493億1600万 |
現在価値 | 463億6197万1600 | 435億8488万9501 | 409億7415万4620 | 385億1980万2758 | 362億1246万6573 |
有利子負債額8億5900万 | 有利子負債コスト0.0161 | 実効税率0.4 | |||
株主資本時価8635億8000万 | 株主資本コスト0.06 |
WACC 0.0599 |
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永久成長率0.0 |
継続価値 8233億550万9181 |
企業価値 1兆289億5879万4234 |
バンダイナムコが今後も今のまま稼いでくれるとすると、この試算では1兆円の価値があるということになりました。
これでは夢がないので、昨年までのペースで今後5年間も成長すると仮定して企業価値を試算してみます。
年 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
---|---|---|---|---|---|
予測FCF | 726億5900万 | 881億9500万 | 1070億5200万 | 1299億4100万 | 1577億2400万 |
現在価値 | 683億672万5900 | 779億4568万3542 | 889億4405万8731 | 1014億9447万8267 | 1158億1586万2555 |
有利子負債額8億5900万 | 有利子負債コスト0.0161 | 実効税率0.4 | |||
株主資本時価8069億7000万 | 株主資本コスト0.06 | WACC 0.0599 |
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永久成長率0.01 | 継続価値 3兆1924億961万9238 |
企業価値 3兆6449億1642万8233 |
すると、企業価値は3.6兆円というかなり大きな値になります。
まあしかし、この試算はさすがに現実性に欠けると思います。
セグメント別売上高で見ると、トイホビー事業が-11%、映像音楽プロデュース事業が-23.6%のマイナスとなっています。
ネットワークエンターテインメント事業自体は+7.1%の増加。
もう一つ、面白い表を見つけました。IPごとの売上高です。
2018年1Qの実績では、ドラゴンボールが197億円、機動戦士ガンダムが152億円を稼いでいます。ものすごいですね。グラフにしてみます。
ガンダムつええ。ドラゴンボールは今年は倍以上に増加していますが、これはスマホゲーム「ドラゴンボールZドッカンバトル」が世界でヒットしているからのようです。
ネットワークコンテンツの2018年1Q売上458億円のうち、ゲームアプリが412億円と多くの割合が占め、海外比率は25%とのこと。