【ウォルト・ディズニー】世界最強エンタメ王国の現在
世界最大のエンタメ・コングロマリット企業であるウォルト・ディズニーが、大きな転換点に差し掛かっている。
同社はこの三年、多くの逆風に見舞われた。パンデミックでテーマパーク事業が閉鎖に追い込まれ、頼みの綱とした動画配信サービスは競争が激しい。2億人を超える会員を獲得したはいいが、収益化は遥か彼方にある。
株式市場からの評価も下がる一方だ。テーマパーク再開とストリーミング事業への期待感で2021年初頭にかけての株価は急騰したが、その後は軟調。2020年の安値付近まで下落してしまった。
経営もドタバタした状況が続いている。2022年11月にはボブ・アイガーのCEO復帰が発表。わずか二年で退任したホブ・チャペックとの確執や幹部解任など、新たな動きも取り沙汰されている。
今回の記事では、ウォルト・ディズニーの現在の状況を整理し、同社が今後たどるべき道筋について考える。ボブ・アイガーは再び、ディズニーの魔法を蘇らせることができるのだろうか。
ボブ・アイガーは、現代のディズニー王国を作り上げた生ける伝説のような経営者だ。2005年から2020年まで、実に15年もの間、CEOとしてウォルト・ディズニー社を率いてきた。