ファストリ決算:中国・日本が好調で上方修正、日銀政策変更で株価は下落基調
ファーストリテイリングが4月8日、2020年9月〜2021年2月期決算を発表した。2度目の緊急事態宣言下で時短営業を余儀なくされたにもかかわらず、営業利益は前年比22.9%増の1679億円と大きく伸びた。
四半期ごとの推移をみると、売上収益は前年比0.3%減の5831億円。北米や欧州で臨時休業や時短営業が広がったことが響いた。
それでも中華圏や日本の採算改善で、営業利益は前年比21.9%増の549億円。アジアに軸足を置くことで、売上高でアパレル世界首位のInditex、2位のH&Mとの差を急速に縮めている。
株価は3月の底値から急上昇が続いたが、足元では下落基調。日銀が日経平均連動型の上場投資信託(ETF)の買い入れを停止し、需給面での下支えがなくなるとの懸念が広がる。
決算内容をもとに足元の環境を整理し、株価動向についても確認していこう。
決算説明会で柳井正会長兼社長は「グローバルに展開するしか生きる道はない」と強調した。主力ブランド「ユニクロ」の売上は、すでに海外が国内を上回っている。