シングルサインオン(SSO)で急成長を続ける「Okta」の3Q決算が12月5日、発表されました。
Oktaの四半期売上(3ヶ月間)は1.53億ドルで、前年同期から+45%の増収。GAAP営業赤字も拡大していますが、株式報酬などを除いたNon-GAAP営業利益は-810万ドル。売上の5%程度です。
Adobeや21世紀フォックスなど名だたる企業が利用しているOkta。日本でも大企業を中心に、使ったことがあるという方も少なくないと思います。
代表的な事例として挙げられているのは電通グループ。今四半期には大きなアップセル(単価上げ)を行なったそうで、最初の導入による成功をもとに世界6万人の従業員に利用を広げたとのこと。
「IDaaS」として急成長を続けるOktaの決算について、読み解いていきましょう。
Oktaの全体顧客数は、7,400社超。前年同期には5,600社超と発表されており、この1年で+32%の拡大です。
そのうち、特に伸びているのは年契約額10万ドルを超える大口顧客で、1,325社。こちらは前年+41%と大きな成長率です。
大口顧客が成長を牽引しているのは、上場後も伸び続けるSaaS企業に共通する特徴の一つ。
一方でその結果、顧客あたりのアップセル率としては少し低下。ドルベースでの継続率(既存顧客の離反・拡大を合わせた指標)は117%と、前年の120%から下がり続けています。
Oktaはグローバルで成長していますが、成長を牽引しているのはアメリカ国内。国内外の売上比率は85:15となっています。
さて、CEOのWilliam E. Losch氏によると、Oktaの急成長を支えている業界のトレンドが大きく三つあります。