前回に引き続き、今回のエントリでは2018年にIPOを行った企業について、時価総額を中心にまとめていきます。高いリターンをもたらすイメージのあるIPO株ですが、実際、株式公開後以降、時価総額はどのように変化しているのでしょうか?
2018年にIPO実施して以来、最も時価総額が上昇した企業は「ファイバーゲート」。初値時点から2019年9月9日終値時点までの間に200%上昇しています。
2番目に時価総額の上昇率が高かったのは印刷ECの「ラクスル」で、こちらは169%上昇しています。
100%以上の上昇を記録したのは5社。50%以上の上昇を記録した企業は11社でした。(2018年にIPOを実施した企業は107社。)
続いて、時価総額上位10社に絞って、初値時点の時価総額と現在の時価総額を比較してみます。
初値時点の時価総額の大きさに目を向けると、10社中5社が100億円未満。余談ですが、昨年、IPOした107社中41社が初値時点での時価総額が100億円未満でした。
金額ベースでの伸びが最も大きかったのはラクスルで、IPO後、時価総額を763億円も増加させています。
続いて、時価総額上位10社の直近の四半期業績の推移について確認してみます。なお、ラクスル、チームスピリットについては前回記事で確認したので今回は対象外とします。
それでは四半期売上の推移から。
ファイバーゲートやベルトラ、Amaziaなどは売上が上昇トレンドにある一方で、ミダックやシノプス、バンクオブイノベーションは横ばいとなっています。
四半期営業利益の推移についても見てみます。
Amazia、プロレドパートナーズ、シノプスの3社が一時、営業損失をだしているものの、全体としては利益が出ていると言えます。