最近のマイブームはキャッシュフローの予測を立てて企業価値を計算してみることで、そうなると外せないのがこのAmazonという企業です。
何と言っても同社が一番大事にしていることの一つは「Long term cash flow」なので。
まずは、アマゾンが最も大事にしているフリーキャッシュフローの推移をみてみましょう。
営業キャッシュフローはほぼ右肩上がりですが、フリーキャッシュフローの大きさはその年の設備投資額によって変わります。
こういう感じですから、Amazonの将来キャッシュフローを予測するのは難しい部分もありますが、営業キャッシュフローの伸びを見る限り、今後大きく下がる可能性はそれほどなさそうです。
この10年間の年平均成長率は+87%、この5年間だと+127%となりました。
そこで、今後5年間のフリーキャッシュフローの推移を保守的ケース(毎年10%成長)と積極的ケース(毎年30%成長)に分けて試算してみます。
まずは保守的ケース。
年 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
---|---|---|---|---|---|
予測FCF | 117億4400万 | 129億1900万 | 142億1100万 | 156億3200万 | 171億9500万 |
現在価値 | 110億4875万5200 | 114億3466万6844 | 118億3359万1294 | 122億4626万8618 | 126億7327万1061 |
有利子負債額76億9400万 | 有利子負債コスト0.02 | 実効税率0.4 | |||
株主資本時価4744億1300万 | 株主資本コスト0.06 |
WACC 0.0592 |
|||
永久成長率0.03 |
継続価値 6065億3595万8904 |
企業価値 6657億7251万1920 |
こうして見ると、Amazonの内在的価値は6657億ドルということになります。
現在の水準から見ると40%も大きい。
次に、積極的ケースです。
年 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
---|---|---|---|---|---|
予測FCF | 164億300万 | 213億2400万 | 277億2100万 | 360億3800万 | 468億4900万 |
現在価値 | 154億3194万2400 | 188億7397万1343 | 230億8345万5370 | 282億3253万7643 | 345億2922万8027 |
有利子負債額76億9400万 | 有利子負債コスト0.02 | 実効税率0.4 | |||
株主資本時価4744億1300万 | 株主資本コスト0.06 |
WACC 0.0592 |
|||
永久成長率0.03 |
継続価値 1兆6525億5034万2465 |
企業価値 1兆7727億147万7249 |
これはやばいですね。1.7兆ドルになってしまいました。
現時点での世界一の時価総額の企業であるアップルは8000億ドル以上の価値が付いていますが、それよりも2倍大きいということになります。
ただ、Amazonの過去の実績から見限り、フリーキャッシュフローが完全に右肩上がりに伸びていくというより、上がったり下がったりしながら伸び続けるというのが実際に起こることのような気がします。
外野から投資する立場としては、2015年にFCFが爆発的に伸びたときに気付くべきだったのかもしれません。
間違っている点などありましたらご指摘ください。