資生堂の2016年12月期の売上高は8503億円、営業利益368億円。報告されている事業区分とそれぞれの概要は次の通り。
日本事業
・化粧品事業:化粧品、化粧用具、トイレタリー製品の製造販売。
・プロフェッショナル事業:理・美容製品の製造販売など
・ヘルスケア事業:美容食品、一般医薬品の製造販売
・フロンティアサイエンス事業:化粧品原料、医療用医薬品、美容医療用化粧品、精製・分析機器などの製造販売
・飲食業など
中国事業
化粧品事業、プロフェッショナル事業
アジアパシフィック事業
化粧品事業、プロフェッショナル事業
米州事業
化粧品事業
欧州事業
化粧品事業
トラベルリテール事業
化粧品事業。日本を除く全世界の免税店エリアにおけるブランドカテゴリー別事業
化粧品事業では顧客の購買接点タイプごとの5つのブランドカテゴリー(プレステージ、フレグランス、コスメティクス、パーソナルケア、プロフェッショナル)と、6つの地域 (上記)を掛け合わせてマトリクス型の体制を敷いている。
連結従業員36549人の内訳。日本事業には13134人が従事し、全体の36%を占める。中国事業には9274名(26%)、アジアパシフィック事業には3228名(8.8%)、米州事業には5942名(16.3%)、欧州事業には2082名(5.7%)、トラベルリテール事業には78名が従事。
売上高8503億円の内訳。日本事業は4076億円を売り上げ、全体の48%を占める。中国事業は1204億円(14.2%)、アジアパシフィック事業は496億円(5.8%)、米州事業は1625億円(19.1%)、欧州事業は852億円(10%)。中国と米州の割合が大きいことがわかる。
セグメント別の営業利益
セグメント別の営業利益。日本で574億円、中国で42億円、トラベルリテールで55億円を稼いでいるが、米州では118億円、欧州では72億円の赤字となっており、利益に関してはまだまだ国内が中心であるとわかる。
資生堂の2016年12月期の研究開発費は182.6億円であり、商品カテゴリーごとに次のような研究成果があるとのこと。
1. スキンケア
培ってきた皮膚解析技術を応用し、皮膚内部の微細な三次元構造を世界で初めて明らかにしたらしい。
2. メーキャップ
リップメークに関する意識調査により「女性の友達と会うときは、最もメークを意識するがあえて気合いを入れず、自然なつや仕上がりにする」傾向にあるらしい。
3. ヘアケア
10周年を迎えた「ツバキ」で、髪に深い潤いをもたらす「インナーモイストアップ処方」を採用したとのこと。
4. ヘルスケア
蒟蒻芋に含まれる「蒟蒻由来グルコシルセラミド」に全身の肌のうるおいを守るバリア機能を改善する美容効果があることを12年にわたる研究により解明したとのこと。
5. フロンティアサイエンス
敏感な肌に適用する医科向け化粧品「ドゥーエ」など、化粧品開発技術を応用した商品開発を推進。