“先見の明”企業・東レ なぜ縮小する繊維市場でも10年で売上1.7倍にできたのか
東レ

今回はユニクロとヒートテックを共同開発したことでも有名な繊維メーカー「東レ」を詳しく見ていこう。

国内の市場は約30年で1/4に縮小

国内の繊維業界は厳しい状況となっている。特に生地の輸出は顕著で、2008年以降は減少傾向にある。

日本において、繊維産業は高度成長を支えた産業の一つであり、世界的なメーカーを数多く輩出した分野である。

しかし、1991年には約11兆円あった国内繊維業の製造品出荷額は、2017年には1/4にまで減少。国内の繊維生産は衰退した。

そうした背景から、2000年代になると、国内繊維メーカーは繊維事業のリストラと非繊維事業の育成に舵を切る。

2002年には旭化成がアクリル繊維事業から、2003年には帝人がナイロン事業から撤退。日本の紡績業界の名門「六大紡績」筆頭だった東洋紡では、2003年3月期の連結売上高で非繊維事業が繊維事業の売上を上回った。

一方、繊維事業を続けたのが東レだ。

他社が撤退していく中、繊維事業の売上が拡大。2019年3月期本決算では、繊維事業の売上高は9743億円となり、10年前の売上高の1.7倍にまで増加した。

Strainer *2020年以降はIFRS「売上収益」の数値。

他社が繊維事業の撤退・縮小に走る中で踏ん張った東レ。また、コロナ禍で取引先のアパレル各社の売り上げが落ち込んだ厳しい時期も乗り切り、V字回復を見せている。

東レが繊維事業を捨てずにここまで来ることができた背景とは。東レの進んできた道のりを振り返るとともに、現在の姿をつまびらかにする。

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