今回は、カラオケ店舗ビッグエコーを手がける「第一興商」(証券コード : 7458)をピックアップします。
まずビッグエコーと他のカラオケブランドを比較してみましょう。
(カラオケ業界の動向)
カラオケ事業者の売上ランキングを見ると、2位に大きな差をつけてトップに君臨するのがビッグエコーです。つまり第一興商はカラオケ業界で最大手の企業となっています。
1971年に創業者である保志忠彦が音響機器の販売を開始したことで第一興商の歴史は始まりました。1976年に休眠会社だった株式会社ニットーの事業目的を変更して保志商店の事業を承継し、商号を「株式会社第一興商」に改め、業務用カラオケ事業を開始します。当初の収録曲数はたったの8曲だったそうです。今では考えられない曲数の少なさです。
1988年にはカラオケ店舗のビッグエコー第1号店がオープン。2015年には東証一部上場を果たしました。現在ではカラオケ業界では最大手として君臨する企業となっています。
2015年のカラオケボックス市場規模は約3,994億円と推計されています。カラオケ参加人口は4,750万人、カラオケボックスのルーム数は134,200となっています。(カラオケ白書2016)
(市場規模の算出方法 : 1ルーム当たりの月間売上推計値約24.8万円をもとに、カラオケボックスの市場規模=24.8万円×12ヶ月×134,200ルーム ≒ 約3,994億円)
市場が横ばいに推移する中で、第一興商の業績はどうなっているのでしょうか。
売上は増加傾向で、18/3期には1,414億円となりました。営業利益も211億円まで増加しています。
営業利益率は5期連続で14%台を推移しています。売上成長率を見ると、17/3期に売上成長率がマイナス0.5ポイントを記録しています。
18/3期の決算短信によると、カラオケ業界はナイト市場が漸減傾向で推移している上に大手事業者間での競争が激しく、市場はわずかながら減少しています。市場が縮小していることを踏まえると、売上成長率も安定して推移していることがわかります。昨年度は0.5ポイントではありますが、売上成長率はプラスに戻りました。
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・第一興商の財政状況
・第一興商の19/3売上は〇〇億円の見通し