独自戦略で拡大する「Dropbox」に見るSaaS企業のゴーイングコンサーン
今回は久しぶりにDropboxについて取り上げる。誰もが知るクラウドストレージの代表企業であり、上場後も着実な成長を続けている。
前回Dropboxの記事を公開したのは2020年の2月。コロナ禍が本格化する直前というタイミングだったが、すでに株価は低迷。ARR18.2億ドルに対して時価総額90億ドルにとどまっていた。それから時間をかけて、市場は少しばかりDropboxへの評価を見直したようだ。
巨大テックが世界中にデータセンターを張り巡らせた今、クラウドストレージ単体の企業が競争するのは尋常なことではない。Google DriveやiCloudのようなツールと張り合わなくてはならないのである。
上記二社には、スマートフォンという最強のリードジェネレーションツールがある。スマホ内のストレージが上限に達したら、極めて自然な形でストレージへの課金に誘導できる。
そんな中でDropboxはどのように生き残りを果たし、成長を続けているのだろうか。直近の決算報告を参照しながら、その戦略について紐解く。