今回ご紹介するのは、2020年末に東証マザーズへの新規上場を果たした「プレイド」だ。2月には上場後初となる四半期決算も発表した。
2020年9月期の売上高は40.1億円。経常損失は12.1億円にのぼったが、今期は大幅に縮小。1Q(10〜12月)時点で売上12.1億円、経常損失1.6億円となった。営業利益は黒字化も果たしている。
プレイドが提供するのは、CX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」。最小限のサービスを受けるには困らない現代、顧客体験こそが成否を分ける大きなポイントの一つだ。
今回の記事では、プレイドの沿革を少し確認した上で、サービス内容や事業数値、成長戦略などについてご紹介したい。
創業者の倉橋健太氏は1983年生まれ。2005年に楽天に入社したのち、2011年にプレイドを設立した。
当初メイン事業に据えていたのは、飲食系のスマホアプリだったという。しかし、倉橋氏はECのコンサルを並行して行い、エンジニアは他社で受託開発に関わっていた状態。
自社サービスの開発に専念できている状態ではなく、リリース半年で「すべて白紙」にすることを決める。
やがてCPO(Chief Product Officer)となる柴山直樹氏と出会い、着想したのが現在の『KARTE』につながるアイデアだ。2014年5月にはベンチャー企業として、資金調達も行う。
7月にはウェブ接客サービス「KARTE(カルテ)」のコンセプトを発表する。リリースにこぎつけたのは2015年3月。
その後は事業を伸ばしつつも、サービスの提供範囲を広げる。メールやチャットでサイト「外」への接客を可能にする「KARTE Talk」や、アプリに特化した「KARTE for App」を開始した。