音声検索は未来を変えるか?成長鈍化も企業の一次情報を集める「Yext」後編
(前回の続き)
飲食チェーンなどに情報管理ツール「パワーリスティング」を提供するYext。2011年に現在の中核サービスを開始すると、2012年には1,420万ドルの売上を実現した。
2017年にはニューヨーク証券取引所に株式をスピード上場。インタビューで創業CEOのハワード・ラーマンは「この領域は勝者総取りの世界。自分たちは、音声検索(Siri等)の追い風も受ける」とアップサイドをアピールした。
それから3年以上が経過したものの、Yextの株価はふるったものとは言えない。クラウド領域には業績面・市場面で大きな追い風が吹いていたにも関わらずだ。
米VCのベッセマー社(BVP)が出しているクラウドインデックス(The BVP Nasdaq Emerging Cloud Index)は、2018年からもクラウド領域全体が大幅に伸長したことを示している。3年でざっと4倍。
つまり、上場企業としてのYextは今のところ「負け犬」。少なくとも、投資家の期待を得ることができなかったのは確かだ(もちろん、投資は自己責任であるが)。
Yextの業績が伸びていないわけではない。四半期売上は4年前の3倍近くに拡大した。その一方で、売上成長率が大幅に鈍化しているのも事実。
一体何が起こっているのだろうか?今回は、Yextによる直近の報告を中心に整理したい。
現在のYextが押し出しているのは「検索のクラウドプラットフォーム」というコンセプトだ。