「ちくび」で世界展開!中国市場で成長するベビー用品メーカー「ピジョン」
ピジョン

こんにちわ!ぶんせき君です。

本日はベビー用品メーカーのピジョン(7965)を紹介します。

とある夜。ぶんせき君は愛する嫁ちゃんに呼ばれました。


「ちょっとこの哺乳瓶洗ってもらっていい?赤ちゃん、この哺乳瓶でしかミルク飲まないんだよね」

「え?そんなことあるの!?哺乳瓶に違いなんてあるの?」

「わかんないけど、これでしか飲まないの」

「そうなんだ。まぁ洗って持ってくわー」


洗っている最中、哺乳瓶の文字が目に入ってきました。

「pigeon」

この企業上場してるんだよな。

それにしても、赤ちゃんがこの哺乳瓶でしかミルク飲まないってスゴイな。

やっぱこだわってんのかな。とか考えてました。


ピジョンってベビー用品では有名だけど、少子高齢化ってよく聞くし、あんまり成長は期待できないかなーなんて思っていました。

でも、実際は中国を中心に海外に展開し、利益率も大きく改善しています。

哺乳瓶などの身近な製品を作っている企業が、世界で成功を収めているのはうれしいですね。

では、同社の基本情報から見ていきましょう!


ピジョンの基本情報

主要製品の紹介

同社の売上高の80%以上を占めるベビー用品の商品を紹介します。

哺乳瓶

ピジョンと言えば哺乳瓶。上の絵は同社が圧倒的な強みを誇る「母乳実感シリーズ」です。

ピジョンのちくびの開発秘話は様々なところで紹介されています。

開発者が、産後の夜のお姉ちゃんのお店にいって、ちくびをたくさん吸わせてもらい、形状・硬度の参考にしたのは比較的有名な話です。


ほかにも離乳食やおしりふき、ベビーカー、ミッキーおしゃぶりなど様々なベビー用品を取り扱っています。


同社は、哺乳器(哺乳瓶)やその先端のちくびを強みとしています。


同社の沿革を見てみましょう。

沿革

1957年設立。1968年までに全国に支店を開設

1995年東証二部に上場。97年に一部に指定替え

海外には1996年にタイに製造会社を設立し、2002年に中国へ進出し販売開始

2004年に海外ベビー用品のランシノを子会社化

2006年には中国での製造を開始

2011年ランシノを完全子会社化し、吸収合併

2014年からランシノでベルギー、ブラジル、上海に拠点設立


経営理念

経営理念は「愛」、社是は「愛を生むのは愛のみ」

なかなかシビれる経営理念と社是です。


次は業績の推移を見てみましょう。

業績の推移

10年前の07/1期は売上高453億円、営業利益27億円でした。

直近の17/1期は売上高946億円、営業利益160億円となっています。10年で利益は5倍以上になっています。

利益率も6%から17%まで大きく改善しています。


利益率の改善は、自社生産品を増やしたことで製造業としての付加価値を取り込んだこと、中国を中心とする海外展開の成功などが理由として挙げられます。


セグメント売上推移

セグメント別売上高の推移です。

中国事業の売上高が215億円から303億円と5年で1.5倍になっています。

国内でもインバウンド需要の恩恵もあり、5年で20%以上の伸びています。

コスト構造

売上高に対してコストの比率を見てみましょう。

販売管理費の比率が30%程度で推移するなかで、売上原価の比率が下がり、営業利益の比率が上昇しています。

販売管理費は営業に関連する費用、本社費用です。一定の比率で推移しているため、上手く費用のコントロールが出来ていると判断できます。

売上原価の比率が下がっているのは、自社生産品を増やすことにより、製造業としての付加価値を取り込んでいることが要因となっています。


同社の扱っているベビー用品は、需要が大きくブレることはありません。

なので、稼働を安定させることが容易であるため、付加価値を取り込みやすいのだと思います。

好況でも、不景気でも赤ちゃんは生まれますからね。

キャッシュフローの推移

安定して営業キャッシュフローは増加しています。

投資CFは、企業買収による無形固定資産の取得、自社生産品をつくるための工場建設による支出がほとんどです。

結果、フリーキャッシュフローを生む体質になっています。


同社は中期経営計画を発表しているので、見てみましょう。

中期経営計画


現在は第6次中期経営計画の最中です。定量目標は3年後の2020/1期に売上高1100億円、営業利益200億円となっています。

また、2026年ごろの目指す企業の姿も提示しています。

10年後には、売上高は倍以上、利益は3倍以上です。こうした姿を示してくれるのはうれしいですね。

各事業ごとに何を行うのか?という点も示しています。


国内ベビー・ママ事業

国内でも3年間で約15%の成長を見込んでいます。

既存商品の売上高増加と、まだ売上高規模の小さいベビーカー、カーシートのシェア上昇を狙っているようです。

そのほか、消費者コミュニケーションの積極化を掲げています。


中国事業

中国事業は、哺乳器・ちくびで40%の売上増を見込んでいます。

ほか、国内ではほぼ展開していない紙おむつの成長を見込んでいるようです。

国内同様に消費者コミュニケーションを積極化するようです。

やはり、中国では、足元で大幅に伸びているECチャンネル、流通体制の強化も掲げています。


海外事業

ピジョンブランドの海外と、子会社ランシノグループを中心とした海外事業です。

ここでも3年で20%程度の成長を見込んでいます。


同社が圧倒的に強い哺乳器を中心に、シェアを15%ポイント上昇させる目標です。

子会社であるランシノグループは、米国での販売強化で売上高を35%伸ばす目標になっています。

そのほか、成長市場、新規市場開拓として、インド・インドネシア、アフリカなどへの進出も考えているようです。


最後に

ベビー用品のピジョンは国内でもインバウンドの恩恵などで成長していますが、中国を中心とした海外でも大きく成長していました。

また、中期経営計画でも自らの強み(哺乳瓶、ちくび)を活かし更なる成長を志しています。


同社の場合商品ラインナップの拡充×地域の広がりで成長しているケースといえるでしょう。

圧倒的に強い製品・商品があり、その販路を活かして周辺の商品、領域を攻める。

その後、自社生産を増やし、利益率を上げる。これらの戦略は、他の分野でも使える戦略だと思います。


私は日本で、ピジョンのような成長している企業を見つけると嬉しくなります。

やっぱり成長していれば、株主も、経営者も、従業員もみんなうれしいですよね。


今年1年、ご愛読いただきありがとうございました。また、来年もよろしくお願いします。

みなさまも良いお年を!

ではでは!