事業計画のお手本!極めて詳細なKPI目標を開示する「SHIFT」通期決算
第三者ソフトウェアテストを主軸に展開する「SHIFT」が好調だ。10月8日に発表された通期決算では、最終損益が16.5億円(前年比69.9%増)のプラスだった。
売上高は287億1,200万円(同47%増)、営業利益は23億5,300万円(同52.8%増)。通期で大きな増収増益という結果になった。
一方、四半期ごとのトレンドはやや鈍化している。売上高は79.9億円で前年比36%増。営業利益も7.2億円と、前年比での増益率は4.3%に落ち着いた。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉の注目度が高まる中、SHIFTは新興ITベンダーの筆頭格として急成長を続けてきた。市場環境が変動する中でも、SHIFTへの期待は高まり続けている。
SHIFTの株価は2020年3月には一時軟調だったが、その後は再び拡大に転じ、この一年での株価伸び率は3倍を上回った。時価総額は2,856億円にも達し、3,000億円の大台に迫ろうとしている。
かねてより注目度の高かったSHIFTは、かなり詳細なKPI予実を開示することでも知られる。詳しく見ていくと、他の成長企業が事業計画を立てるときにも参考になる。
来期以降はどういった方針を取るのか、足元の動向とともに決算報告の内容を紐解いていこう。
SHIFTにとって2020年8月期は、売上高300億円へ向けた成長戦略「SHIFT300」における最終年度だった。
この中で、SHIFTは「アカウント(顧客)」「サービス(高付加価値化)」「組織(人事や経営基盤)」などについて成長に向けたアクションを実行した。まずはその成果を見てみよう。