BlackRockと言えば、世界で5.1兆ドル(日本円で571兆円)もの資金を運用する最大の資産運用会社であり、時価総額も745億ドルとなっています。
BlackRockはもともと、PEのBlackstoneの債券運用を行う資産運用会社として1988年に設立されましたが、1995年にPNC Financial Service Groupに売却されます。
その後の1999年にIPOし、IPO後も安定的にAUMを伸ばし続けていますが、同業の買収を立て続けに行うことで世界最大の資産運用会社となりました。
中でもETFは、Barclaysの子会社だったBarclays Global Investors(BGI)を2009年に買収したことで、BGIが手がけていた世界シェア40%を握るETFの「iShares」を獲得しています。
また最近では、資産運用会社ではなくロボアドバイザーのFutureAdvisorや法人顧客の現金管理プロセスを支援するCachematrixを買収したり、FinTech企業に少額出資をするなどテクノロジー企業への投資も増やしています。
その背景には、投資家がアクティブ投資からパッシブ投資に比重を増やしていることが挙げられます。パッシブ投資では、あまり差別化要因がなく価格競争に陥ってしまっていますが一方で、ETFで運用しているものの手数料が比較的高く取れるロボアドバイザーがAUMを急拡大させており、それを受け皿になりたいという思いがあります。
(ただ昨今は、ロボアドバイザーも手数料が消耗戦になりつつあり、人を使ったりPBにOEMする企業など様々な施策を打っています。)
それではBlackRockについて見ていきたいと思います。
まず、売上と営業利益の推移を見て見ます。
すると、2006年と2007年と2010年に大きく伸ばしています。
次に売上の比率を見て見ます。
次に、Investment advisory and administrations feesをさらに分解して見ます。
次に、営業利益率の推移を見て見ます。
右肩上がりに改善しています。
次に、AUMを見て見ます。
初めはFixed Incomeだけでしたが、買収によってEquityやMulti Aseet Class、Cash Managementなどを商品のバリュエーションを増やしています。
2005年:State Street Research & Management(MetLifeの子会社)を買収
2006年:Merrill Lynch Investment Managers(Merril Lynchの子会社)を買収
2009年:Barclays Global Investors(Barclaysの子会社)を買収
最後に、売上をAUMで割った時の手数料の推移を見て見ます。
すると、Alternatives以外は右肩下がりとなっています。
いかがでしたでしょうか。
今後のBlackRockが楽しみです。