ソフトバンクグループが出資するオンライン保険会社「Lemonade」が新規上場を申請し、申請資料(S-1)が公表されました。
コンセプトは「21世紀のために設計された住宅・レンタル保険」。今さら新世紀を持ち出すことにやや違和感もありますが、伝統的な保険サービス特有のペインを解決することをアピールしています。
面倒な代理店やペーパーワークとの会話をすることなく、アプリ上のAIボットとのやり取りが基本。
チャット形式で保険の申し込みや(w/マヤ)、補償の申請(w/ジム)までをアプリ内で完結できるというサービスです。
今回は、Lemonadeの上場申請書類について詳しくチェックします。
まずは、Lemonadeのビジネスモデルについて。
彼らが前提としているのは、保険サービスのデジタル化による効率化されたアプローチです。
アメリカでは、住宅保険の93%以上がエージェント経由で販売されています。これを「AIボット」に代替することで、顧客体験を損なうことなくスピーディな成長を可能に。
保険サービスなのである種当然ですが、収益モデルはサブスクリプション。原則としてプレミアム(保険料)の25%を徴収するというモデルになっています。
残りは補償のために使われ、もし余った場合はユーザーの選択のもと、非営利機関に「返還(Giveback)」することが可能。
エージェントなど中途マージンの支払先を極限まで減らすことで、コスト優位性を追求し、「良いこと」に使うというわけです。
Lemonade自身はリスク管理のために再保険をかけています。ボラティリティを抑えることが目的だと説明。
そして、Lemonade最大の特徴となっているのが「AIチャットボット」。これによって「エージェントなし」の保険販売を可能にしています。