事業内容
特種東海製紙株式会社(以下、同社)とそのグループ企業は、紙パルプの製造・販売を中心に、紙加工、土木・造園工事、産業廃棄物処理など多岐にわたる事業を展開しています。同社グループは、特種東海製紙を含む親会社、子会社12社、関連会社5社で構成されています。
事業セグメントは大きく分けて4つあります。第一に「産業素材事業」では、同社が紙の販売及び売電を行い、新東海製紙株式会社が紙パルプの製造・販売、特種東海マテリアルズ株式会社が紙原料の供給、新東海ロジスティクス株式会社が紙製品の輸送・保管を担当しています。また、関連会社4社が紙の加工・販売を行っています。
第二の「特殊素材事業」では、同社が紙の製造・販売を行い、株式会社TTトレーディングが紙の販売、静岡ロジスティクス株式会社が紙製品の保管と輸送、株式会社モルディアがモウルドの製造・販売を手掛けています。
第三の「生活商品事業」では、株式会社トライフと関連会社1社が紙の製造・加工・販売を、特種東海エコロジー株式会社が紙の製造・販売を行っています。
最後に「環境関連事業」では、株式会社レックスがサーマルリサイクル燃料の製造・販売、特種東海フォレスト株式会社が土木・造園工事、株式会社駿河サービス工業が産業廃棄物の収集運搬・処分、十山株式会社が社有林管理・ウイスキー製造を担当しています。
2023年4月3日には、産業廃棄物の収集運搬・処分を行うトーエイ株式会社の持株会社であるトーエイホールディングス株式会社との資本業務提携を行い、同社の発行済株式の70%を取得しています。これにより、同社グループの環境関連事業はさらに強化されています。
経営方針
特種東海製紙株式会社(以下、同社)は、持続可能な社会実現への貢献を目指し、独自の成長戦略を推進しています。同社の経営理念は、「ユニークで存在感のある企業集団として、社会と環境に貢献する」ことにあり、オンリーワンビジネス企業を目指しています。この理念のもと、同社は経営資源を効率的に活用し、企業価値の向上を追求しています。
同社は、長期的な成長目標として営業利益100億円、経常利益130億円、ROE8.0%を掲げており、これを達成するために、環境関連事業を中心とした事業ポートフォリオの変革を進めています。具体的には、デジタル化の影響で縮小傾向にある既存の製紙業からの脱却を図り、環境配慮型製品や合成繊維(アラミドペーパー)などの新製品の投入、製品構成の入れ替えを行っています。また、製紙以外の事業領域である環境関連事業への経営資源の投入を強化し、新たなコア事業として成長させる方針です。
2023年4月から2026年3月を対象期間とする第6次中期経営計画では、製紙の成長分野への35億円、リサイクルビジネス拡大への48億円の成長投資を計画しています。これにより、厳しい経営環境の中でも大きな利益改善を目指しています。
同社は、経営上の目標達成状況を判断するために、営業利益を最も重視し、事業別ROA・ROIを管理項目として設定しています。これにより、資本コスト・資本収益性を意識した経営を実践し、中長期目標の達成に向けて努力しています。
同社の成長戦略は、既存事業の体質強化と新たな事業領域への拡大に焦点を当てています。環境関連事業を第4の基幹事業と位置づけ、持続的な成長を目指しています。また、製品ポートフォリオの変革や原燃料価格の高騰への対応、持続可能な社会に向けた取り組みなど、多角的なアプローチで課題に対処しています。