事業内容
セルシスグループは、株式会社セルシスを中心に、連結子会社である株式会社andDC3、Candera GmbH、株式会社カンデラジャパンを含む4つの事業会社で構成されています。同社グループは、コンピューター関連のソフトウェアおよび周辺機器の企画、開発、販売、使用許諾、保守管理などを行っており、経営管理およびそれに付随する事業を営んでいます。
セルシスグループの事業は主に2つのセグメントに分かれています。第一のセグメントはクリエイターサポート事業で、グラフィック技術の研究開発とその実用化を推進しています。このセグメントでは、イラスト、マンガ、Webtoon、アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」シリーズの企画から開発までを手掛け、インターネットを通じてこれらのソフトウェアの提供や、クリエイターの創作活動を支援するWebサイト「CLIP STUDIO」での販売、使用許諾を行っています。また、電子書籍配信ソリューション「CLIP STUDIO READER」や電子書籍オーサリングソフトウェアなど、様々なデバイスやプラットフォームに対応したグラフィック系コンテンツの制作・流通・再生に関するソリューションを提供しています。
第二のセグメントはUI/UX事業で、自動車関連分野を中心に、車載向けソフトウェア開発プラットフォーム「CGI Studio」やUIオーサリングソフトウェア群「UI Conductor」の開発を行っています。これらの製品を通じて、車載機、デジタルカメラ、スマートフォンなどのUIソリューションとしての使用許諾や、UIのデザインからソフトウェア開発、組込み業務までの受託開発を行い、ライセンス収入や開発費、保守・サポート費を得ています。
経営方針
セルシスグループは、デジタルコンテンツの創作から利用・活用に至るまでの全過程を支援する環境の提供を経営理念として掲げ、その実現に向けた成長戦略を推進しています。同社は、安定した経営を維持しつつ、売上高と営業利益の向上を中長期の重要な経営指標として設定しています。
成長戦略の一環として、セルシスグループは開発力の強化に注力しています。これには、グループ内の研究開発業務の重複を防ぎ、人的リソースの効率化を図るための組織体制の構築、グループ共通の開発環境の整備、共通コアエンジンの開発推進、および自社IP製品の開発体制の強化が含まれます。
また、セルシスグループはセグメント別施策にも力を入れています。クリエイターサポート事業では、主力製品である「CLIP STUDIO PAINT」の研究開発とサービスの充実を図り、国内外でのクリエイター数の最大化を目指しています。電子書籍分野では、顧客サポートの強化を通じて市場でのポジションを保持し、新規デバイスの登場などの機会に拡大を図ります。グラフィック分野では、ソフトウェア販売とのシナジーを生かし、デジタルコンテンツの制作・流通・再生に関するサービス提供に注力します。
UI/UX事業では、自社IP製品ビジネス中心の売上獲得へのビジネスモデル転換を図り、原価低減及び利益の拡大を目指しています。特に、自動車関連分野では、車載向けソフトウェア開発プラットフォーム「CGI Studio」やUIオーサリングソフトウェア群「UI Conductor」の研究開発をグループ全体で推進し、積極的な営業活動を展開しています。
さらに、セルシスグループは人材の確保及び育成、グループ経営の効率化を優先的に対処すべき課題としています。これにより、急速な技術革新への対応と継続的な研究開発を支え、事業拡大の源泉としています。