山王は、主に電子部品の精密プレス加工と貴金属表面処理加工を手がける企業です。山王とその子会社であるSanno Philippines Manufacturing Corporation（SPMC）およびSanno Land Corporation（SLC）で構成されています。これらの事業を通じて、顧客の求める品質、価格、納期に対応しています。

精密プレス加工では、主にコネクタメーカーからの依頼を受け、コネクタのプレス金型の設計・製作を行います。製作した金型を用いて、銅合金を主材料としたプレス加工を行い、フープ成型品を生産しています。特に、携帯機器の小型化に対応するため、1,000分の1ミリメートルの精度で加工を行っています。

表面処理加工では、日本とフィリピンのセグメントで、コネクタやスイッチ、ICソケットなどの接点部品に対して、高速金めっきやパラジウムニッケル合金めっき、錫めっきなどを行っています。特に、環境対応の鉛を含まない半田めっき加工をリールtoリール方式で実施しています。

山王の電子部品は、パソコン、携帯電話、車載機器、デジタル家電、産業用機器、ゲーム機器、カード機器など、さまざまな用途で使用されています。これにより、幅広い産業分野でのニーズに応えています。

山王は、電子工業界において成長を続けるための戦略を明確にしています。自動車向け電子部品の需要が堅調であることを背景に、同社は受注拡大と収益改善を目指しています。また、生産設備の拡充やカーボンニュートラルへの取り組みを進め、工場の増強や働く環境の整備、人事・教育の強化を図っています。

同社は、自動車、通信、産業機器向け分野への設備投資を継続し、安定した収益基盤の確保と新規事業領域の開拓を進めています。特に、再生可能エネルギーの導入を推進し、2030年までに排出量を50％削減する目標を掲げています。これにより、カーボンニュートラルの実現を目指しています。

市場環境の変化に対応するため、山王は顧客ニーズの収集と新製品の受注獲得に向けた技術的差別化を進めています。製造工程の効率化や品質の高度化を追求し、受注の拡大を図っています。これにより、電子機器需要の回復を見据えた成長を目指しています。

山王は、売上高8,900百万円、営業利益250百万円、経常利益250百万円を目標としています。これを達成するために、経営体質の改善に向けた取り組みを強化し、持続可能な成長を実現することを目指しています。