事業内容
SUMCOは、半導体メーカー向けシリコンウェーハの製造及び販売を主体とする高純度シリコン事業を展開しています。同社グループは、国内外に複数の製造拠点を持ち、半導体の基板材料として用いられるシリコンウェーハを提供しています。これらのウェーハは、メモリーやロジックなどの各種半導体の製造に不可欠です。
製造プロセスは、高純度石英ルツボ内で多結晶シリコンを溶融し、単結晶シリコンのインゴットを成長させる単結晶引上工程と、そのインゴットをスライスし、研削、研磨、洗浄するウェーハ加工工程に分かれます。また、ポリッシュトウェーハの表面に特殊加工を施したエピタキシャルウェーハも製造しています。
生産体制においては、300mmウェーハは佐賀県、山形県、長崎県、台湾に、200mm以下のウェーハはこれらの地域に加え、北海道、宮崎県、米国、インドネシアに製造拠点を置いています。販売体制は、日本国内の主要都市や北米、アジア、欧州に営業拠点を設け、全世界の半導体メーカーに対応しています。特に、台湾と韓国には技術サポートを行う子会社も設置しており、顧客へのサポート体制も充実しています。
経営方針
SUMCOは、半導体業界におけるシリコンウェーハの製造及び販売を主軸に事業を展開しています。同社は、高品質なシリコンウェーハの安定供給を通じて、社会の発展に貢献することを経営理念として掲げています。特に、大口径から小口径までの幅広い製品展開力と、世界をリードする技術力を活用し、顧客からの厳しい品質・コスト要求に応える技術力の向上に注力しています。
中長期的な経営戦略として、SUMCOは、データ通信量の増加や5Gスマートフォンの普及、HEV・EVの普及などに伴う半導体市場の成長に対応するため、主力製品である300mmウェーハの技術開発・投資による差別化を図っています。また、経済合理性を考慮した規律ある設備投資を実施し、生産能力を上回る需要に対応しています。
さらに、社会課題の解決と持続的な企業価値の向上に向けて、カーボンニュートラルや女性活躍推進などの中長期的な目標の達成に向けた活動を加速しています。これらの取り組みは、同社が特定したマテリアリティ(重要課題)として、サステナビリティに関する取り組みを進める一環です。
また、市場環境の変化に迅速かつ的確に対応できる企業体質の構築を目指し、AIを活用した生産性向上によるコスト競争力の強化や、地政学的リスクや金融政策の影響に対するリスク最小化に努めています。さらに、三菱マテリアル株式会社の半導体用多結晶シリコン事業の取得を通じて、原材料の安定調達と一貫した開発・製造体制の推進を図っています。
これらの戦略を通じて、SUMCOは、技術で世界一の会社を目指し、景気下降局面でも安定して収益を上げる企業、従業員が活き活きとした利益マインドの高い企業、海外市場に強い企業へと成長を目指しています。