事業内容
沿革・会社概要
Amgen Inc.(アムジェン)は、米国カリフォルニア州に本社を置くバイオテクノロジー・製薬会社。1980年にRobert A. Bradway(ロバート・ブラッドレー氏)によって創業され、1984年にニューヨーク証券取引所へ株式上場。1987年にデラウェア州法人に変更すると共に、設立当初『Applied Molecular Genetics』であった会社名を現在の『Amgen』に改名。
設立以来、世界でも最も医薬品ニーズが大きな欧米に事業を集中していたが、2019年に市場規模2位・3位の中国・日本への本格的な進出開始。また同年には中国で大きな存在感と経験を持つBeiGene(ビージーン)との戦略提携を発表。
日本ではアステラス製薬と協力し、Amgen Astellas BioPharma(アムジェン・アステラス・バイオファーマ)というジョイントベンチャーを設立。日本国内での本格的な医療事業が可能となる。
事業内容
Amgen(アムジェン)は創業以来バイオテクノロジーを用いたヒトの治療薬の開発・製造・販売を行い、世界中の100を超える国と地域に拠点を構えている。
後述の主要8製品を中心とした自社製品の販売はAmgenが主に事業活動を行うアメリカ・欧州を中心に販売しているが、中東・アジア圏へも販路を拡大している。
製品提供はAmerisourceBergen Corporation,・McKesson Corporation・Cardinal Healthの主要3社への卸売によって提供され、2017年−2019年の3年間において、同3社への販売は全世界におけるAmgenの総収入の81〜84%を締める。
製品・サービス
Amgenが現在主に扱っている治療薬は8種類あり、全てバイオテクノロジーを用いた治療薬である。
Enbrel® (etanercept)
中度から重度の活動性関節リウマチの成人患者の治療薬として、主にアメリカで販売されている。
Neulasta® (pegfilgrastim)
発熱や白血球数低下の可能性がある抗がん剤治療を受けている患者の、感染症罹患リスクを低減させる治療薬。
Prolia® (denosumab)
骨粗鬆症の罹患歴がある患者、骨粗鬆症罹患の可能性がある閉経後の女性、骨粗鬆症治療に失敗した患者の治療薬。
XGEVA®
固形腫瘍および多発性骨髄腫からの骨転移を有する患者の骨格関連事象の治療薬。
Aranesp® (darbepoetin alfa)
併用抑制骨髄化学療法による赤血球数の減少から引き起こされる貧血治療薬。
KYPROLIS® (carfilzomib)
デキサメタゾンまたはレナリドミドとの併用により、再発の可能性が高く完治が難しい多発性骨髄腫患者の治療薬。
EPOGEN® (epoetin alfa)
人工透析中の患者がCKDによって引き起こす可能性のある貧血の治療薬。
Sensipar®/Mimpara® (cinacalcet)
人工透析中のCKDの成人患者における、続発性副甲状腺機能亢進症の治療薬。
Amgenが提供するソリューションの特徴
Amgenでは主に重度の患者への治療に使われる医薬品の開発・製造・販売が行われており、自社でこれまでに蓄積してきた最先端の科学技術を駆使して新薬(候補)の研究開発を行っている。
上述の8製品を中心とした製品の販売について、主な商圏であるアメリカ以外の地域では、 関連会社の設立・既存企業または製品の特許権の取得・第三者と提携等によって販路を拡大し。これらのパートナーと協力して、医師またはその診療所・透析センター・病院・薬局などの医療提供者に製品を販売。
事業環境
2019年12月31日現在で、これまでAmgenの主要製品に関する既存の特許の一部は失効し、既存のバイオ医薬品と同等・同質・低価格のバイオシミラーやジェネリック医薬品をなどとの市場競争が見込まれている。
特に欧州では、アメリカに比べてバイオシミラー採用率が高くAmgenが市場における価格競争に見舞われる可能性が高い。
アメリカ国内でもAmgenのEPOGEN®・NEUPOGEN®・Neulasta®のバイオシミラーが他社から販売されたり、ENBRELのバイオシミラー販売許可が出される動きが出ている。