事業内容
黒谷株式会社は、非鉄金属事業と美術工芸事業の2つの主要な事業セグメントを持っています。非鉄金属事業では、銅を中心としたインゴットの製造・販売とリサイクル原料の加工・販売を行っています。一方、美術工芸事業では、美術工芸品の製造販売を手がけています。
非鉄金属事業において、黒谷はインゴットとリサイクル原料を同時に取り扱うことで、幅広い非鉄金属を一括で購入することが可能です。インゴット製造では、国内外から集荷した銅や銅合金のリサイクル原料を使用し、顧客のニーズに合わせた製品を生産しています。
インゴットの主な製品には、船舶のスクリュー原材料として用いられる「アルミ青銅」や、住宅産業向けの「青銅」「鉛レス青銅」「黄銅」などがあります。これらは、造船メーカーや住宅設備メーカーなどに販売されています。
リサイクル原料では、国内外の仕入先から約150品種の非鉄金属リサイクル原料を選別・加工し、電線メーカーや銅製錬メーカーなどに販売しています。また、自社のインゴット製造にも利用しています。主な品種には、電線や銅板条向けのピカ線や赤ナゲット、銅屑、銅滓などがあります。
美術工芸事業では、黒谷は貴金属製の置物や仏像・仏具を製造販売しています。この事業では、高度な鋳造技術と精緻な仕上げにより、付加価値の高い製品を提供しています。これにより、顧客に対して独自の価値を提供しています。
経営方針
黒谷株式会社は、持続可能な社会の実現を目指し、金属リサイクルを通じて低炭素化社会・循環型社会の構築に貢献することを経営方針としています。特に、非鉄金属のリサイクルをコアビジネスとし、環境に配慮した資源需要の高まりに応えるべく、金属資源の有効活用を推進しています。
同社の成長戦略は、非鉄金属事業の競争力を高める施策を中心に展開されています。具体的には、リサイクル原料に付加価値を生み出し、社会貢献を果たすことを重要な経営戦略と位置づけています。また、美術工芸事業では、企画提案力と製造技術力の強化を図り、安定的な利益確保を目指しています。
黒谷は、企業価値の向上と財務体質の強化を目指し、自己資本比率や自己資本利益率、有利子負債比率を重要な経営指標としています。これにより、具体的な数値目標を設定せずとも、持続的な成長を図っています。
同社は、優秀な人材の確保を重視し、採用制度の多様化や研修制度の充実を図っています。特に、海外営業や商品市場取引に精通した人材の確保を進め、グローバルな事業展開に対応できる体制を整えています。
海外市場への進出も重要な戦略の一環です。黒谷は、米国やタイに拠点を設立し、海外での営業基盤を構築しています。今後も新興国市場を中心に、海外での業容拡大を目指しています。
リスク管理体制の強化も進めており、非鉄金属相場や為替相場の変動に対応するため、ヘッジ手段の多様化や情報収集能力の強化を図っています。また、海外拠点の管理体制の整備も進めています。
事業分野の拡大に向けて、黒谷は「都市鉱山」と呼ばれる電子機器の貴金属リサイクルや、鉄やレアメタル分野への進出を計画しています。これにより、銅系以外の分野での成長を目指しています。
美術工芸事業では、キャラクター商品を用いた金製品の開発やEC取引の活用により、販路拡大を図っています。これにより、同社は市場での存在感を高め、さらなる事業拡大を目指しています。