事業内容
沿革・会社概要
Tableau Software, Inc.(タブローソフトウェア)は、ビジネスインテリジェンス)に特化したインタラクティブなデータの視覚化ツールを提供しているソフトウェア会社。1997年にスタンフォード大学のコンピュータサイエンス学部におけるPat Hanrahan教授らの研究を原点とし、2003年にスピンアウトしてTableau Softwareが設立された。ソフトウェアの大きな課題である「データを誰にとってもわかりやすくすること」に取り組み、2013年にニューヨーク証券取引所に上場。
Tableau Softwareのミッションは、人々がデータを見て理解できるようにすることであり、データの力を日常の人々の手に届け、幅広いビジネスユーザーがデータを活用し、質問をし、問題を解決し、価値を創造することを可能にするようなサービスを提供している。
Tableau Softwareは、もともとスタンフォード大学で開発された革新的なコアテクノロジーをベースとした製品(ソフトウェア)の販売を行っている。Tableau Softwareの製品は、従来のビジネスインテリジェンスアプリケーションに関連する複雑さ、柔軟性のなさ、コストを劇的に削減することができる。現在はデスクトップ版(Tableau Desktop)だけでなく、企業向けの「Tableau Server」、クラウド版の「Tableau Online」も展開。
なお、2019年8月1日付でSalesforceによる買収が完了したことで、Tableau Softwareは上場廃止となった。
事業内容・サービス内容
Tableau Softwareのソフトウェアは、専門家だけではなく、データを利用したいと考えているすべての人のためにデザインされている。そのため、Tableau Softwareの製品は、技術的な専門家の支援なしに情報にアクセスでき、分析を実行し、結果を共有することも簡単にできるようになっている。ビジネスアナリティクスソフトウェアの使用を誰でも使えるようにしたことで、Tableau Softwareは高い評価を受けている。
データを使って意思決定を行う人々の手に、強力なセルフサービスの分析技術を渡すことで、情報に基づいたインテリジェントな意思決定のペースをTableau Softwareは加速させている。これにより、Tableau Softwareの製品の利用者はより良い職場環境を創造することができ、創意工夫と創造性を十分に発揮できるようなる。
実際、Tableau Softwareの製品は、フォーチュン500に選出されるような大企業、中小企業、政府機関、大学、研究機関、非営利団体など、あらゆる種類の組織で、さまざまなスキルレベルの人々に使用されている。会社では、売上向上、業務の効率化、顧客サービスの向上、投資の管理、品質と安全性の評価、疾病の研究と治療、学術研究の完了、環境問題への対応、教育の改善など、幅広いユースケースでTableau Softwareの製品が採用されている。
データが事実上どこにでもある現代のような世界では、データを分析することが当たり前な時代に突入しているとTableau Softwareは考えている。Tableau Softwareの製品は柔軟性に富み、ラップトップ上の1人のユーザーが単純なスプレッドシートを使ってデータを分析するのを支援したり、企業全体の何万人ものユーザーが大規模で複雑なデータセットに対して高度なクエリを実行したりするのに十分な能力を有している。
Tableau Softwareの革新的な製品を支えているのは、高度なコンピュータグラフィックス、ヒューマンコンピュータインタラクション、高性能データベースシステムの領域にまたがる一連の技術革新だ。これらの技術革新には、『VizQL』と『ハイブリッドデータアーキテクチャ』が含まれている。
VizQL
画期的なビジュアルクエリ言語であるVizQLは、ドラッグ&ドロップ操作をデータクエリに変換し、その情報を視覚的に表現することができるPC言語だ。『VizQL』は、これまで別々に行われていたクエリとビジュアライゼーションのタスクを統合し、ソフトウェアスクリプトやチャートウィザード、ダイアログボックスなどのスピードと柔軟性を阻害するものを必要とせずに、質問を画像に変換することができる。この機能は、ユーザーにとってより直感的で創造的で魅力的な体験を可能にするようにデザインされている。VizQLを使うことで、データを見て理解する能力を飛躍的に向上させることができる。
ハイブリッドデータアーキテクチャ
ハイブリッドデータアーキテクチャは、ライブクエリテクノロジーとインメモリデータエンジンテクノロジーであるHyperのパワーと柔軟性を組み合わせたものだ。Tableau Softwareの『Live Queryテクノロジー』は、データベースやクラウドアプリケーションなど、既存のフォーマットや場所にある大量のデータに瞬時に接続することを可能にする。この機能により、ユーザーは既存のデータプラットフォームへの投資を活用して、高性能データベースの機能を活用することができるようになる。
Tableau Softwareのインメモリデータエンジン技術である『Hyper』は、大規模または複雑なデータセットの高速なデータインジェストと分析的なクエリ処理のために設計された製品だ。抽出の作成と更新のパフォーマンスが強化されているため、ユーザーはスケジュールの制限やデータ量を気にすることなく、ビジネスのニーズに基づいてデータの抽出を選択することができる。Tableau Softwareのハイブリッド・データ・アーキテクチャは、各ソースのスピードとパフォーマンスを最適化しながら、多様なソースや場所からデータにアクセスして分析する柔軟性をユーザーに提供する。
販売戦略
Tableau Softwareの販売戦略は、ソフトウェアの使いやすさ、初期投資コストの低さ、柔軟な展開、コラボレーション機能を活用するようにデザインされている。製品の迅速な導入を促進するために、Tableau Softwareは、ウェブサイト上でTableau Softwareの製品の全機能を備えた無料トライアル版を提供し、柔軟な価格モデルを提供することでユーザーを獲得している。最初のトライアルまたは購入後、Tableau Softwareの製品の採用を任意の規模で拡大することもできる。
2018年中、Tableauは『Tableau Creator』、『Explorer』、『Viewer』といったソフトウェアの各サブスクリプションを通じたサブスクリプションの提供を開始したことで、それぞれが高度なアナリストからカジュアルなユーザーまで、さまざまなユーザーニーズに合わせて設計されたTableau Softwareの製品分析機能を自在に組み合わせられるようなサービスを提供している。
2018年12月31日現在、Tableau Softwareの顧客アカウントは8万6,000件を超え、幅広い企業規模や業界で利用されている。Tableau Softwareの大口顧客には、チャールズ・シュワブ、エクソンモービル、ハネウェル、ジョンソン・エンド・ジョンソン、JPMorgan Chase、ファイザー、そして米国の政府機関などがある。